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学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」

湘南支部ニュース「ジムニーズ」復刊第1号(2022年9月21日発行)

事務の仕事、理解されていますか?

~ク~ルな事務室でホッと働きたい~

 

学校事務職員の労働組合

 この度私は、学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川)へ加入した。
 加入に至るまでには、管理職の事務職員に対する不適切な言動、定期昇給に関する課題など様々あった。だが何か問題があったからでは無く、誰もが加入できるものとして労働組合があることは前提だ。
 その上で今回は、勤務校事務室のエアコン設備をめぐる組合の取り組みを紹介したい。
 

我慢するしかない?

 私の勤務するA小学校事務室のエアコンは老朽化により故障していた。私の着任前から徐々に調子が悪くなっていたようだが、着任した2019年度には完全に冷房が効かなくなった。このため管理職へ何度も実状を訴えるも、数回ほど修理業者が来ては「機械が古すぎて修理不能」と言い去るのみ。エアコンの新調や入替に関してはその話すら挙がることはなかった。
 当事務室は南側に面し陽を遮る建物も無いため、日中は室温30℃を簡単に超えた。エアコンの設置は労働安全衛生の観点からも急務であることは明らかだった。自助努力としてマメなエアコンフィルター清掃を繰り返し、使われていないオンボロ扇風機を見つけだし綺麗にして使用するなどの工夫を重ねた。
 状況を管理職に伝え改善を求めるも、「施設課には言ってある」「他の部屋はもっと暑くて困っている」といった返答のみで、改善に向けた方法や時期といった具体的な対処・説明が示されることはなかった。そもそも日常的に、事務職員の職務を理解されていないように感じる言動も多々あったため、改善を求め続けても無駄に思えて途方に暮れた。
 

職員室で仕事をすれば

 そしてとうとう2020年の夏に相方事務職員が、翌2021年の夏にも入れ替わりで着任した相方事務職員が、事務室内で熱中症症状を引き起こした。顔は赤く、汗をかかず、仕事の手を止め話しかけても反応が薄く、返答もあいまいといった症状。すぐに水分補給と別室での休憩を促した。
 幸い私自身が熱中症を起こすことこそ無かったものの、毎年職員が不調になるような環境で、改善の兆しもないまま職務を続けざるを得なかった。このままでは職員や児童の人命にも関わると感じた。
 この経験をまずは、業務上出来ることに活かした。当該年度の特別予算でコロナ禍における熱中症対策に注力。陽当りの良い南棟最上階の全教室の壁に大型扇風機を取り付け、断熱の弱いプレハブ校舎にはサーキュレーターを配備。人数の多い職員室には壁付け扇風機を2基、特別教室や図書準備室には可能な限りの数のウィンドウエアコンを設置した。
 その上で、他の部屋の空調が故障した際の予備的な意味合いも含め、ようやく事務室用にもウィンドウエアコンを購入しようとした。ところが当時の教頭が「事務室にエアコンをつけるのは辻堂小の予算の使い方として間違っている」と購入を制止。後に校長へ相談したが、「その時の教頭先生は、そういう気分だったのね」とまともに取り合われなかった。
 今年度、改めて校長に事務室のエアコン工事申請を依頼するも、「他にもエアコンがついていない所はある。職員室で仕事をすればいい」と、職員を守るべき立場にある管理職に突き放された。このことを他校事務職員へ話すと同情された。職場内で話題に挙げても課題共有はできるが、そこからの前進はない。
 この後、他校からエアコンのお下がりが出たが事務室には設置されず、古くはあったものの機能に問題は無かった職員室の空調が新調された。
 誰にも助けられることなく、事務室の必要性も理解されず、自分の職場環境は自分で守るしかないのだと悟る。酷暑で人が亡くなるニュースを見るたび、他人事とは思えず不安と怒りがこみ上げた。
 

組合パワーで迅速解決

 そんなとき学校事務職員労働組合の存在が頭に浮かんだ。情宣紙等で見聞きしてはいたが、再度読み漁った。事務職員の味方になってくれる組合はこれ
だと思った。「自らの労働条件は自らの手で」のスローガンが全てを諦めかけていた心に刺さった。
 6月上旬の加入から3週間後には校長交渉を持った。これにより職場環境や業務に関する諸課題について徐々に良い方向へ進んでいる。
 事務室の労働環境については市教委へ書面にて申入れをしたところ、早速7月にはスポットクーラーが納入され、続いてエアコン設置のための下見が行われた。今まで修理業者が来たことはあったが、新設のための下見はエアコン故障後初めてのことである。
 更に8月には、ちゃんとしたエアコンが事務室に設置された。4年間訴え続けても変わることのなかった問題は、がくろう神奈川に加入し然るべき手段をとることによりわずか2ヶ月で解消した。これまで夏の暑さ冬の寒さに耐え、スポットクーラーや石油ストーブの手入れといった余計な業務を行い仕事効率も下がっていたが、ようやく通常の環境で業務を進めることができるようになった。組合の力を感じずにはいられない。
 これは単なるエアコンだけの話しでは無い。
 

課題は山積している

 5年前にがくろう神奈川湘南支部の方が退職された後、矢継ぎ早に事務職員用PCが導入され学校事務連携組織が発足した。湘南教組事務職員部の長年の取り組みのおかげだと報告されているが、実際はがくろうが待ったをかけていた影響が大きいことは周知の事実だ。これにより拙速な導入に走ることなく、他地区での実情を見極めることができた。
 それでも、PC導入後開始された新人事給与システムではエラーが多数発生。その後各地区で導入された財務システムにも不都合が多数あり、現場に寄り添った形になるにはまだ時間がかかりそうだ。安易な導入では、更に酷い状況であったに違いない。
 今、学校現場には解決できていない問題が山積している。教員の課題も山積している。少数が切り捨てられる風潮、声の大きい人だけで進められる会議、大多数に付随した組織。そんな中で、事務職員の課題について誰が声をあげられるだろうか。正しく伝わっているだろうか。他職種を通してではなく、事務職員の課題に真っ直ぐ向き合えるのは学校事務職員労働組合ならではだ。
 

がくろう神奈川があるのだ

 以前教職員組合の役員をしていた頃、組合に入るメリットは何かという話題がよく挙がっていた。これに対し「組合があることがメリットなのだ」と教わったことがある。
 問題に対するアプローチの方法は多数あって良い。私は、がくろう神奈川という組合があることがメリットだと思う。少数職種である事務職員の声を当事者が伝えていけるよう、活動をしていく。
 
===
 
※おことわり:HP掲載にあたり「学校名の実名表記」並びに「PC導入と新人事給与システム開始の時系列」につき、修正しました。
 

 

知ろう!参加しよう!学校事務職員のための労働組合「がくろう神奈川」

 
「学校事務職員労働組合神奈川」=通称「がくろう神奈川」は、神奈川県内の学校事務職員でつくる、学校事務職員のための労働組合(県人事委員会登録職員団体)です。学校事務職員の労働条件・労働環境を改善・向上させるとともにより良い行政・学校運営を目指し、県教委や市町村教委との労使交渉・折衝や組合員職場における課題解決などに取り組んでいます。
 学校職場で少数である事務職員は、過重な業務負担や雑用を押し付けられたり担当業務を軽んじられたり労働環境の改善を後回しにされたりと、不当な扱いをされることが少なくありません。パワハラ被害の訴えも増えています。がくろう神奈川は教員が多数を占める教職員組合と異なり、事務職員のための労働組合。事務職員の立場に立って課題解決に取り組みます。まずはご質問・ご相談からでも OK!皆さんのご連絡・ご参加をお待ちしています。
[メール:shino3628@gmail.com]
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学校事務職員労働組合神奈川

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横浜市港北区篠原台町36-28
 東横白楽マンション602
shino3628★gmail.com
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