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学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」

「学労川崎」第770号 2020年11月17日発行

<2020年度賃金確定>
当局 市労連(川教組・市職労等)との妥結を理由に

期末手当 年0.05月引下げ強行へ

再任用は据え置き 基本給等(期末勤勉手当以外)は今後提案・交渉
  
《2020年度賃金確定内容(期末・勤勉手当のみ)》
○期末勤勉手当:年間0.05月分引下げ4. 45月分とし、引下げ分は期末手当に配分
        再任用職員据え置き 会計年度任用職員期末手当2.6月→2.55月引下げ
        12月10日支給
 

10/23 期末勤勉のみ人事委員会勧告

 川崎市人事委員会は10月23日、期末・勤勉手当に関する給与勧告を行いました。
 人事委員会勧告とは、団体交渉権・争議権といった労働基本権が法律上制約されている地方公務員の労働条件をめぐり、その制約の代償措置として設けられている制度です。人事委員会が中立の第三者機関として、民間の給与水準と比較しつつ国や他都市の制度との均衡も考慮し、地方公務員の給与の改定を勧告するものです。
 通常であれば基本給や諸手当も含めた勧告が10月上旬ごろまでに出されるのですが、今年は新型コロナ感染症の影響で民間給与の調査が遅れたため、国家公務員(人事院勧告)・地方公務員ともに給与勧告が後ろ倒しになっています。そうした中で今回の勧告は、取り急ぎ期末・勤勉手当のみを対象としています。
 問題の勧告内容は、期末・勤勉手当=ボーナスの年間支給月数について、現行年4.5月のところ0.05月引下げ、4.45月とするものでした。
期末・勤勉手当の月数はもちろん重要ですが、賃金全体を論じるうえでは手当の算出基礎である基本給と一体で検討されるべきです。基本給を置き去りにして期末・勤勉手当のみを取り出したマイナス勧告は、不当なものと言わざるを得ません。
 

賃金交渉で引下げに反対するも強行へ

 人事委員会勧告を受け11月2日、期末・勤勉手当に課題を絞った第1回賃金確定交渉が持たれました。
 川崎市当局は人事委員会勧告通り期末・勤勉手当を年0.05月引下げるとしたうえで、引下げは期末手当からとする提案がなされました。提案はこのほか、再任用職員の期末・勤勉手当は据え置き、会計年度任用職員の期末手当は常勤職員同様に0.05月引下げとする内容でした。
 がくろう神奈川川崎支部は提案に対し、主に以下の3点を指摘。引下げは到底容認できないとして当局に対し再考を要求しました。
 
〇新型コロナ感染症への対応で職員全体の労働負荷が高まっている中での賃下げは、職員の働きに応えないものでありモチベーションを大きく下げる。
〇近年の期末・勤勉手当の引上げについては軒並み勤勉手当(人事評価による格差給)に配分してきたにもかかわらず、引下げは期末手当(勤務期間に応じた定率給)からというのは不合理。職員間の賃金格差が更に拡大する。
〇会計年度任用職員は現行の期末手当月数を前提に基本給を引下げて対応級号給が決定された。その経緯を踏まえれば、期末手当引下げが適用される理由がない。会計年度任用職員制度前より年収ダウンとなる職員もおり、非常勤職員の待遇改善という制度創設の精神に反する。
 
 しかし、市当局は11月10日の最終団体交渉においても、一歩も歩み寄ることなく当初提案そのままの最終提案を提示してきました。
 川崎支部は、「労働の現場は昨年より厳しい状況にあり、引下げは認められない」と回答したうえで、「会計年度任用職員への取扱いは不当と言わざるを得ない。声を挙げにくい労働者の声を聞くべき」と指摘。交渉は決裂に終わりました。
 なお市当局は、川教組や市職労で構成する過半数組合の市労連が引下げに合意したことから、強行するとしています。
 

 
執務環境・業務アンケートへのご協力ありがとうございます

今後も事務職員の立場に立った組合として尽力します 

 

事務室に対する教員集団の非常識行為

 がくろう神奈川川崎支部は10月に、「学校事務職員(執務環境・業務)アンケート」を実施。多くの方々からご回答をいただきました。どうもありがとうございます。
 今回のアンケートで浮き彫りになったのは、多くの学校での事務室の不正常な取り扱いの実態です。特に事務室の一部が通路のように使われるいわゆる「通路化」について、10校以上が「されている」と回答。他に「以前は通路化されていたが改善した」との回答も複数ありました。回答は氷山の一角で、未回答校も含む全体では相当の数の学校で通路化の実態があるものと推測されます。
 言うまでもなく、事務室とはあくまで独立したひとつの「部屋」です。校舎内において「通行」は「廊下」を用いるべきものであり、「部屋」はそこに用件があってこそ訪れる場所です。教員たちは児童生徒に対して、「職員室に来るときはノックをして、誰に何の用件があって来たのか言いましょう」と指導しているでしょう。そんな教員たちが事務室に対しては、通路としてなんの遠慮会釈もなく通り抜けていく実態は、非常識の極みであり侮辱的な行為とさえ言えます。
 事務室の問題は通路化だけではありません。事務職員の執務上不要な物品や、用途に照らして他の部屋に配備すべき物品が事務室に置かれている事例も多数報告されました。中には「無断で置かれていることがある」との回答も。これもまた、非常識な行為というべきです。
 

文科省「標準職務」 全部担うのは無理!

 文科省が発した「標準職務」通知については、回答者の多くが中身を読んだうえで「標準的職務内容だけでもすべてはできない」と回答。「標準的職務内容だけならできる」「どちらとも言えない」「その他」を選んだ方からも、「人員増が合わせて必要」「学校事務職員が働き方改革の対象外なのか」「業務分担が不明確な状況では困難」などの留保や課題の指摘がありました。
 そもそも文科省通知は学校事務職員の負担を顧みることなどなく、ただただ教員の業務を事務職員に転嫁したものに過ぎませんから、現場実態とかけ離れているのは当然です。にもかかわらず、相互支援事業で代表者が「全部担うべき」と号令しているとの報告もありました。とはいえ、加配措置のおかげで事務職員が本来の定数より1人多く配置されている職場からそんなことを言われても説得力なし。応じる必要はありません。
 
具体的な環境改善は組合加入で
 執務環境や業務に関する様々な課題をお寄せいただきました。今後とも全体状況の改善を市教委当局に迫っていきますが、個別の学校での具体的な改善を実現するには、組合に加入することにより校長交渉を持てる体制が必要です。働きやすい職場を、ともに獲得していきましょう!
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