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学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」

「学労川崎」第769号 2020年10月14日発行

人事異動基準に続き昇格基準についても労使交渉勝ち取る

がくろう神奈川川崎支部 市教委当局との交渉体制さらに前進
公平な昇格基準への改善を要求も当局はゼロ回答
 

不法な交渉拒否で強行された現基準

 がくろう神奈川川崎支部は10月6日、川崎市教委当局と「学校事務職員の昇格基準」について労使交渉を持ちました。
 昇格基準については、17年4月に教職員給与負担が県費から市費に移管されるにあたり、適用給料表も級構成も変わることとなったことから、基準変更の有無が課題となりました。給料表と密接に関係し賃金に関わるものであることから、がくろう神奈川川崎支部は移管前から、速やかに労働組合に提案し交渉を持つよう求めてきました。
 しかし当局は昇格基準を示さないまま市費移管を迎え、さらに移管後も9か月にわたり「検討中」と繰り返し、昇格基準は不透明なままでした。そして移管後初の昇格発令まで残り4か月を切った17年12月下旬になって、ようやく労働組合に提示してきました。
 そのうえ当局は、労使交渉の対象となる「提案」ではなく単なる「情報提供」として提示するという挙に出ます。川崎支部は「賃金に係る制度の問題。給料表をどうするかと同じ話」と主張し労使交渉を要求しましたが、当時の教職員人事課長は「昇任(=昇格)の基準はどう任用するという内容であり、交渉を要するものではない」と主張。川崎支部がその見解の根拠を質すと「インターネットから」という不誠実な対応を取りました。結局、当局は川崎支部の主張に耳を貸さず不法な労使交渉拒否を続け、現行昇格基準の実施を強行しました。
 

自らの手で交渉の道開く

 しかし川崎支部は今年、6月29日付で「昇格基準に関する申入書」を提出し、改めて労使交渉を要求しました。武器となったのは、人事異動の基準に関する当局の交渉拒否をめぐり、市人事委員会が川崎支部の主張を全面的に認める判定したことで当局も交渉に応じざるを得なくなった経過でした。川崎支部が主張し人事委判定の根拠となった法律条文に照らせば、人事異動だけではなく昇格の基準も交渉事項であるという筋道です。
 事ここに及んで、当局も申入書を受け昇格基準についても労使交渉に応じるに至りました。交渉で当局は、今後も申し入れがあれば交渉に応じること、基準に変更がある場合は当局側から提案することなどを確認しました。
 人事異動基準をめぐり粘り強く取り組み自らの手で勝ち取った交渉権が、別の交渉権の獲得(奪還)にもつながったのです。労働組合がまっとうにその役割を果たせば、当局の交渉拒否を突破することは可能であり、それができる(やる気がある)のは川教組ではなく私たち川崎支部です。
 

公平な昇格=賃金分配のための基準を

 川崎支部は昇格について、「昇格は賃金改善である。賃金は公平に分配されなければならない。ゆえに昇格も公平に分配されなければならない」と考えます。その観点から、年齢や在職年数を無視した昇格発令は賃金の偏在を生み出すものであり、容認できません。しかし市費移管後の昇格発令を見ると、年齢・在職年数を完全に無視した昇格が横行。同一人物が2年連続で昇格(=2年で2級も昇格)するといった、県費時代にはありえなかった発令も行われています。
 交渉で川崎支部は、昇格に不公平が生まれているのは市費移管後の基準の不備、具体的には3級昇格で所属長推薦選考が設けられた一方で多くの職員が昇格するレポート選考の年数要件は従前より引き延ばされたこと、4級昇格で直近下位級在級年数要件がなくなったことなどを問題として指摘。県費当時の基準をもとに見直しを求めました。
 当局は「年齢要件も重要な要素」としつつも「優秀な人が早く上がっていくという考え方」を示しました。しかし、「何が優秀か」の判断は不透明なまま。それでも当局は組合要求に対し、現行基準での実施を最終回答。労使交渉は決裂しました。
 川崎支部は今後も交渉権を行使し、公平な賃金を求め取り組んでいきます。
 

 
~文科省「標準職務例」 組合員はこう読んだ・こう感じた~

事務職員てヒマですか? 沈黙せず声を挙げよう! 

 
 7月17日に文部科学省から「事務職員の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則参考例等」と「教諭等の~(以下同)」の通知が発出されましたが、皆さん読まれましたか?
 働き方改革?教員の負担軽減?おおいに結構です。一緒に働いている先生たち、すごく忙しいですもんね。
 でも、単に「教員の仕事を事務職員にスライドしようとしてるだけでは?」と読めてしまいました。学校という狭い箱の中で、要らないものを、そっちが持ってよ、いやあっちが持てよ、と押し付けあっているだけ、という印象を持ちました。
「なお,これら業務のうち,学校徴収金の徴収・管理に関する業務については,基本的には学校以外が担うべき業務であり,地方公共団体が担うことが望ましいが,仮に,学校が担わざるを得ない場合であっても,教諭等の業務ではなく事務職員等の業務とする必要があると考えられるため…」
 はい?「仮に」とは何でしょう?「地方公共団体が担うことが望ましい」と言ってるんだから、担ってくださいよ。「仮に」はいらないです。
 この業務のために、川崎市が職員を募集して雇えばいいだけの話です。そうすれば担えます。配置数が決められている、学校事務職員がやらされる業務ではありません。今まで通りの人員のまま、「標準的な職務」として挙げられている、「就学支援に関すること」「学籍に関すること」「教科書に関すること」「調査及び統計に関すること」「文書管理に関すること」の全てを、「はいそうですか」と引き受けられますか?給料も上がらず、人数もそのまま?
 事務職員てヒマですか?私はヒマではありません。ヒマだと思われてるから、こんな参考例を出されているのではないでしょうか。ここで声を上げなければ、沈黙=賛成、と捉えかねられません。
 過年の「異動は原則3年に変更」を思い出してください。こんなに働き方、ライフプランに関わることなのに、いきなり通知が来て、意見を述べる場も与えれませんでした(お知らせしている通り、がくろうはこの件に関して労使交渉を勝ち取りました)。しかも川教組は、この異動に関しても何の動きもしていません。川教組合員の方、異動年数の変更に賛成でしたか?私は反対です。
 今回の「事務職員の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則参考例」にも賛成ですか?私は反対です。沈黙=賛成、とされてしまう前に声をあげていきましょう。
「仮に」は無し!原則通り地方公共団体が担ってください!私たち自身のQOLが下がるような改革は、働き方改革でもなんでもありません。仕事の押し付けです。皆さまのご意見をお待ちしています。
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