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学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」

「学労川崎」第765号 2020年7月15日発行

教職員事務支援員・障害者就業員の全校配置 「机は事務室に」なんて言われたら…

事務室は「事務職員の執務部屋」

事務室への配置は当該職種の任用目的にも反する 
 

教職員事務支援員・障害者就業員の役割

 このほど、「教職員事務支援員」ないし「障害者就業員」が配置されていない83校に対し、10月までにいずれかの配置が行われることとなりました。(6/23事務連絡・6/29,30説明会実施)
 このうち大半を占める教職員事務支援員の配置は、新型コロナウイルス感染症対策に伴う国の第2次補正予算に「スクール・サポート・スタッフ」の未配置校全校配置(国1/3負担)が盛り込まれたことを受けたものです。文科省が「スクール・サポート・スタッフ」と銘打っている職の川崎における呼称が「教職員事務支援員」になります。
 ところでひとつ確認しておきたいのは、このスクール・サポート・スタッフ=教職員事務支援員はあくまで「教員」(「教職員」ではなく)をサポート・支援するための職種であるということです。文科省は「教師が児童生徒への指導や教材研究等に注力できる体制を整備し、教師の負担軽減を図るため、学習プリント等の印刷などを教師に代わって行うサポートスタッフ」と位置付けています。川崎市教委も業務内容について「学習プリントの印刷、チラシや学校だより等の配付物の仕分け、教材作成の補助などの教員が行う事務的業務の補助」と定義しています。「事務」という語が職名に入りますが、学校事務職とは業務内容・配置目的は大きく異なりますし、業務上の関連(事務職員業務の補助など)もありません。
 文科省はかねてより、「学校における働き方改革」を進めるうえで教員の負担軽減策としてスクール・サポート・スタッフの配置拡充を進め、川崎市教委も軌を一にしてきました。そのうえで今回の2次補正予算では「段階的な学校再開に伴う家庭用教材等の印刷・保護者への連絡業務、健康管理等、増加する学級担任等の業務をサポートするため」として、全校配置が盛り込まれ、川崎市教委もこれに応じた形です。
 一方、障害者就業員については制度的背景が異なります。配置所管課も異なりますし、スクール・サポート・スタッフ配置のための国庫負担もこの職種に対しては適用されていないものとみられます。ただ、市教委は障害者就業員について「教職員事務支援員同様の業務を行う」としており、やはりあくまで「教員」をサポートするための職種であることは変わりありません。
 

「事務室は事務職員の執務部屋」の根拠

 教員をサポートする業務に当たるうえでは、執務場所は教員と同じ職員室とするのが合理的です。実際、教職員事務支援員の執務場所について市教委当局は折衝で「当然職員室になると考えている」(19年2月28日)と明言しています。
 しかし6/29,30の説明会資料を見ると、障害者就業員とそれを支援する「障害者雇用支援員」について、橘中と久本小で事務室内に在席スペースが設けられている旨が記されています。
 実は幸町小も2か月前まで同様でした。しかしここは私たち川崎支部と校長とで交渉をもち、労使合意により職員室内に席を確保しなおした経過があります。
 私たち川崎支部は、それがどんな職種であれ、事務室を事務職員以外の職種の執務・在席場所とすることは、事務室の前提を否定しひいては事務職員の労働条件を変える大きな問題と考えます。
 そもそも学校の「事務室」は、学校教育法が規定する職種しか学校におらず文部科学省もまだ文部省だった頃から、学校施設整備のための国庫補助金の積算基準に入っていました。つまり事務室は「事務職員が執務する部屋」としてしか想定されておらず、そのための部屋として国庫補助を受け事務室を含む学校は建設されています。
 まして川崎における学校事務室は、あくまで事務職員のための部屋として設置されたという経緯があります。かつて設置率数%にとどまっていた川崎における事務室は、私たち川崎支部が1981年の結成以来全校への事務室設置運動を展開した結果、83年10月に「設置基準」を労使確認し勝ち取ったものです。そしてこの途上である82年2月3日に市教委当局は「市教委は、事務職員にとって事務室は必要であると考え、設置に努力していく」とする見解を川崎支部に示しています。
 

事務室課題は職種差別の問題でもある

 前号でも述べましたが、事務室は学校事務職員が労働条件=労働環境として自らの手で勝ち取った大事な権利です。しかし少数職種であるがゆえに、立場が弱いと見られればその権利はたちまち浸食され、管理職・教員の多数を背景としたさまざまな理不尽の押し付けにさらされがちです。
「職員室は狭い。机を置ける余裕はない。事務センターなら場所を取れるだろ」。教職員事務支援員等の配置を前に、そんなことを言われている学校があるかもしれません。
 でも、本当に職員室に場所はありませんか? 打ち合わせに使うからとテーブルがあったり、ソファやコーヒーメーカーがあったりしませんか? 職員室に置く物としてそれらを優先し事務室を浸食しようとする発想こそ、多数を背景とした押し付けであり職種差別です。同時に、教職員事務支援員・障害者就業員の業務や役割に対する軽視の表れでもあります。
 すでにそうした問題が起きている学校、先々危うい学校等あれば、ご相談・ご連絡ください。
 

 
年休・夏休は自分の取りたい時に取ろう!

「学校閉庁日」の休暇取得は強制されるものではありません

  
 一昨年度から実施されている「学校閉庁日」。これまで夏休み中に3日間が設定されてきましたが、「学校における働き方改革」の動きを受け、今年度は冬休み中にも2日間設定されることとなりました。(今年度は夏8/12~14、冬12/28・1/4)
 この「学校閉庁日」、いつも年休を使い切れず捨ててしまっているという人にとっては、休みを取る良いきっかけになるかもしれません。しかし一方で、プライベートや家庭の希望・事情により、休暇は自身の都合に合わせて取りたい、あるいは確保しておきたい、という方も少なくないでしょう。そうした人にとって、「学校閉庁日である」というだけで年休や夏休を使ってしまうのは不本意・不合理ではないでしょうか。
 そこでハッキリさせておきたいのが、学校閉庁日の休暇取得は強制されるものではないということです。休暇はあくまで個々人の権利であり、市教委や管理職により取得日を指定することは出来ません。市教委発行「『学校閉庁日』の実施に係るQ&A」にも「年次休暇及び特別休暇等は、職員の申請に基づくものになりますので、強制的に取得させるといったことがないようにしてください」と明記されています。
 夏の動静を提出する時期です。管理職からあたかも学校閉庁日は休暇取得が前提であるかのようなアナウンスがされるかもしれませんが、意に反して従う必要はありません。大切な権利である休暇は、自分が本当に取りたい時に納得して取りましょう。学校閉庁日に伴う休暇取得の強制等があれば、ご相談・ご連絡ください。
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