忍者ブログ

学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」

「学労川崎」第775号 2021年2月26日発行

定員・予算並びに諸権利交渉報告(後編)

 
 がくろう神奈川川崎支部は、8月に提出した「2021年度に向けた定員・予算並びに諸権利に関する要求書」(771号掲載)に基づき12月21・22日、川崎市教委当局と交渉を持ちました。前々号・前号に続き、主な課題に関する交渉の内容をご報告いたします。
 

>>> 学事課 <<< 自動振替の私的団体利用につき問題提起

 小学校を中心に学校徴収金自動振替が、職場親睦会やPTAといった業務と無関係な私的団体の会費を職員から徴収することにも用いられている実態があります。まして来年度からの給食費公会計化で、職員からの徴収金はこれら任意加入の私的団体会費のみになります。本来、学校運営に必要な保護者からの徴収金の振替に用いるもので、職員の私的団体会費を扱うのは問題ではないでしょうか。今回初めて提起しました。
 当局は当初回答では「保護者等からの学校徴収金の徴収に利用することが基本」としていましたが、交渉においては「各種私費団体が会費をどうやって集めるかという問題。現金袋引きでもいいし、契約違反等がなければ自動振替を利用する方法もある。教育委員会が何かを言うというものではない」と回答が後退。
 保護者からの自動振替と同一の手続きだと、徴収金事務担当者が必然的に私費団体の会費徴収をも担わされることとなり問題だ、と質しましたが「担当者についてもその団体内で確認されていれば、それに沿って行われるもの」とし、総じて「徴収方法や担当者については、各団体が適切に決定すること」と逃げ腰姿勢が浮き彫りになりました。
 学校内における私的団体の会費徴収のあり方は、給与現金支給時代の「法定外控除問題」に重なります。かつて給与事務担当者である事務職員は、「職場のため」「先生たちの便宜のため」といった言葉のもと多数の利害に従属させられ、教員ひとりひとりの給与から職場親睦会費や旅行の積立、PTA会費、さらに教職員組合費や月賦の代金までもを、違法かつ無償労働のもと計算・控除=“天引き”することを強制されてきた過去があります。
 川崎支部が連なる学校事務労働運動(学労運動)は、事務職員が教員や教員中心の職場文化に対して対等の関係性を獲得することを目指し、全国でこの「法定外控除」拒否の取り組みに立ちました。教委当局・管理職・教職員組合・悪質な職場教員らの恫喝・懐柔・圧力をはねのけて拒否を貫き、ついに「法定外控除」を葬りました
 現在の問題は給与事務との紐づけはありませんが、多数の利害に特定少数が従属させられ無償労働を強いられる構造は同じです。徴収金事務担当者が教員であれ事務職員であれ、その構造こそが問題です。
 今交渉では時間の関係で詰め切れませんでしたが、引き続き課題としていきます。
 

>>> 庶務課 <<< 文書送付の改善要求も不誠実な回答

 19年初頭頃から増えた学校宛通知の「電子文書のみ」の送付。それ以前は学校宛の通知文書は、全て集配を用いて紙媒体で来ていました。
 電子文書送付が増えた背景にあるのは、庶務課が市教委内各課に発した19年1月7日付30川教庶第1123号「市立学校への電子文書等の送付方法について(依頼)」で、ここでは電子文書送付を既定事項としたうえで、「電子のみ」か「紙のみ」か「電子・紙両方」か、その送付方法を通知文並びに電子文書連絡事項欄に明記するよう指示しています。
 計画配置PCの台数が限られる学校現場では、電子文書のみ送られても結局プリントアウトが必要。電子文書のみ送付が増えたことで市教委や総合教育センターは楽になったかもしれませんが、学校現場では手間もコストも増大しています。
 川崎支部は、原則はすべて集配によるべきとしたうえで「せめて鑑文は紙で出すべき」と求めましたが、当局は「全庁的にペーパーレス化の推進が図られている」と回答。ペーパーレス化がしづらい学校の環境を踏まえた方法を求めましたが、「要望としては承った」と不誠実な回答にとどまりました。
 併せて、30川教庶第1123号に基づく送付方法の明記が守られていない通知が少なくないことも指摘。せめて市教委内で決めた決まりは守るべき、と徹底を求め、当局もこれには応じました。(ただし交渉後も改善が見られないため、再度要求)
 このほか、周年行事にあたり市長等の来賓挨拶の原案を学校が作成することになっている問題、予算執行における「業種・種目」の分類整理、備品区分価格引き上げ、出張復命の口頭化など、学校並びに業務の負担軽減につながる課題について改善を要求しました。
 

>>> 他にも各課と協議 <<<

 交渉ではほかに、健康給食推進室に対し小学校給食用予算の不足が常態化している現状を指摘。増額を求めました。
 教育政策室とは、35人学級とそれに伴う環境整備、働き方・仕事の進め方改革について現状認識をやり取りしました。
 他の要求項目に対する当局回答をお知りになりたい方は、ご連絡ください。
 

 

学校財務事務の負担軽減等求め学事課へ要望

 
 川崎支部は2月19日、学事課長に対して「学校財務事務に関する要望」を提出しました。
 予算執行をめぐっては18年度に入ってから、物品業種・種目指定をめぐって従来と異なる厳しい取扱いがなされるようになりました。川崎支部は同年度に学事課と交渉を持ち、柔軟な対応や学校現場の負担軽減策等を求め、継続課題として確認しました。しかし2年を経過する中で、問題は一層明らかになっています。
 必要な商品に対して例示該当業種への登録業者が合致せず、取り扱い可能業者がなかなか見つからない、という悩みは誰しもが直面したことでしょう。業者一覧から取り扱えそうな業者を探そうにも、小売も卸もメーカーも混ぜこぜで片っ端から問い合わせるのは非現実的。物品業種・種目一覧の「例示品目」にしても、受注生産品も既製品も一緒くた。そもそも必要な商品と業種区分のミスマッチとしか言いようがない例示も見られます。
 例示該当業種登録業者からはどうしても調達先が見つからず、やむなく公費以外での支払に頼る例も出てきているやに聞きます。しかし本来公費で支出するものを公費以外に頼らざるを得ない状況を生み出すのは、本末転倒です。
 その他日頃の業務状況を踏まえ、次のことを要望。回答を求めました。
 
○予算執行伺起票時における物品業種・種目指定について、学校における購入品種が多岐にわたることに鑑み、弾力的な扱いとすること。
○卒業証書の筆耕について、全校ないし希望校について市教委で一括して契約すること。
○全校購入・一括支払いを行う定期刊行物の精選を進めること。特に「教職員録」の全校購入・一括支払いは取りやめること。
○複写品代(コピー消耗品代)の年度当初の預かり額について、現在は一律20万円のところ、各校の希望に応じた設定とすること。
〇その他、学校財務事務に関する諸課題について組合と協議すること。
PR

学校事務職員労働組合神奈川

連絡先
横浜市港北区篠原台町36-28
 東横白楽マンション602
shino3628★gmail.com
(★を@に変えてください)