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学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」

「学労川崎」第773号 2021年1月20日発行

定員・予算並びに諸権利交渉報告(前編)

 
 がくろう神奈川川崎支部は、8月に提出した「2021年度に向けた定員・予算並びに諸権利に関する要求書」(771号掲載)に基づき12月21・22日、川崎市教委当局と交渉を持ちました。今号より3回に分けて、主な課題に関する交渉の内容をご報告いたします。
 

>>> 指導課 <<< 過大規模校の事務職員配置改善求める

 川崎支部は従来より、中央支援学校の過大規模化に対して事務職員の配置数が不十分だと訴え改善を要求。定数配置の方法のひとつとして、分教室の分校化という具体的提案もしています。しかし当局は「分校化には条例制定や分校の理念等も必要。予算もかかり、簡単ではない」と回答。一方で「大規模化や事務職員の配置に関する問題意識は理解している」との認識も示されました。
 回答を受け、教職員数に比例した膨大な業務量や分教室間の移動を要するなど事務職員の業務実態を改めて説明。分校化によらないとしても、必要な人員配置のため指導課として働きかけを続けるよう求めました。
 

>>> 教育環境整備推進室 <<< 事務職員の労働環境として事務室を尊重

 主要課題は事務室について。事務室をめぐっては、室内が通路にされたり事務職員に無関係な書類・物品が置かれるなど、悪質な環境にある学校が少なくありません。「職員室が狭い」ことを理由(言い訳)とされることが多いようで、確かに中には非常勤職員の増員やGIGAスクール関連機器の設置などで職員室が狭隘化している学校もあり、併せて課題解決が必要です。ただ、職員室狭隘化のツケを事務室に回されてはなりません。交渉では「事務職員の労働・執務環境としての事務室」について認識を質しました。
 当局は「職員室の狭隘化については印刷室を区切るなどして『第2職員室』を設けている学校もあるが、事務室を半分にしてそこに第2職員室をといった立場ではない。書庫も、職員室に入りきらないから事務室にという立場ではない」「事務室を狭くするということは事務職員の職場環境の問題として望ましくなく、考えていない」と回答。事務職員の労働・執務環境として事務室を尊重する見解を示しました。
 川崎の学校事務室は、川教組が何ら取り組まず設置率1割未満の時代から、私たち川崎支部が1981年の結成後ただちに取り組み83年に事務室設置基準の確認を勝ち取った結果として、現在の全校設置に至っています。その過程の82年、川崎市教委は「事務職員にとって事務室は必要であると考え、設置に努力していく」との見解を述べています。事務室は“事務職員にとって”必要なものとして勝ち取られたもの。その立場に立った改善が絶えず求められます。
 交渉ではこのほか、休憩室の設置や粗大ごみ回収の回数増、電話設備の更新と電話機増設といった要求についてもやり取りを行いました。
 

>>> 給与厚生課 <<< 職員の個人情報や互助会加入めぐり協議

 給与事務手続きにおける不必要な個人情報の入力について、毎年改善を要求しています。特に所得税扶養申告や年末調整において、国税庁の定める範囲を超えた個人情報(配偶者情報など)や証明書類が求められている実態は、過剰な個人情報の収集であり不適切・不合理だと指摘しました。
 当局は「全庁的にこうしたつくり。情報が多いほど正確な判断が出来て良い、という発想なのだろう。税関係は正しい納税の推進というスタンスだと思う」としつつ、改善の余地はあるとの考えも示しました。個々の項目や書類について要否を労使で検討する場を設けることも提案しましたが、「まずは課内で検討したい」との回答でした。
 また、給与厚生課が新採用職員に配布する給与関係手続きの提出書類・申請入力案内に、任意加入である互助会・振興会の加入申込書が記載されていることについて、加入必須との誤解を生むとともに、給与事務と一体で案内されることで担当でなくとも事務職員が対応を求められる状況を招いていることを指摘。改善を要求しました。
 当局は「多くの福利厚生事業を実施しているため依頼に基づいて記載している」としつつ、「結果として事務職員が対応することとなっている問題は承知している。来年度の案内は違った方法になる可能性が高い」との回答を受けました。
 このほか、報酬等支払調書の本人交付の不要化や福利厚生事業についてもやり取り。川教組相乗りの「教職員運動会」が2年連続中止になったことに触れ、「もう運動会はやめて、全体に公平に還元されるものを」と求めました。
 

 
給食費公会計化 説明会を前に交渉 (※説明会は後日中止に)

学校事務職員への新たな業務負担増に反対し

自校献立食材の契約・支払事務につき以下の通り確認

 
〇説明会通知の言う「給食事務を担当する職員」=給食事務担当者というのは一般に、栄養士もしくは給食主任が担当していること
〇自校献立食材の契約・支払事務は給食事務担当者が行うこと
〇給食事務担当者が契約・支払事務を行うに当たって、教育委員会は初めての人でもわかるようなマニュアル作成等の措置を取ること
 

公会計化での業務負担増反対を申し入れ

 前号でお知らせした通り、市教委当局は昨年12月7日、「給食費徴収システム及び学校給食に関する事務説明会」の開催通知を発しました。
 来年度から始まる学校給食の公会計化にあたっては、小学校で実施されている「自校献立」の食材費も「私会計の給食会計」ではなく「公費」からの支出となり、その契約・支払は財務会計システムにより行うことになります。
 川崎支部はこの契約・支払業務の担当について、「もともと財務会計システムによる業務を行っているから」と学校事務職員に押し付けられることを危惧。昨年8月7日付で当局に対し、「自校献立食材の契約・支払事務担当者に学校事務職員を充てないこと。このことについて、全校に徹底すること」を求める交渉申入書(767号掲載)を提出していたところです。
 このほど川崎支部は、交渉が持たれる前に説明会開催通知が出されたことに抗議。その後12月21日に交渉を持ちました。
 

担当が現行と変わることはない!

 交渉冒頭、当局は説明会通知後の交渉となったことに反省の意を表明。川崎支部も受け入れ、内容に入りました。
 まず当局より、説明会の概略、新たに稼働する「給食費徴収システム」の使用PC端末等概要、そして自校献立食材の契約・支払事務に関する具体的手続きや支援措置について聴取。特に契約・支払については「支出負担行為兼命令での支払いとする」との説明を受けました。
 川崎支部は自校献立食材の契約・支払業務の担当者について、現行同様に公会計化後も学校事務職員が充てられることのないよう求めましたが、当局は各校の分掌に任せるとし、「教育委員会として誰を充てろ・充てるなということを明示することは考えていない」との回答にとどまりました。
 ただ、交渉内でのやり取りを踏まえ、上記囲みの3点を確認。このため川崎支部は、申し入れ時点の危惧はおおむね解消されたものと受け止め、今後の必要な情報提供を約し交渉を終えました。 
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