「学校業務相互支援事業」 市教委当局と14項目の確認
業務増・階層化反対――対等な助け合い・支え合いを
学労川崎は「学校業務相互支援事業」について、学校事務の業務増と人員削減・非正規雇用化・外部委託化といった雇用破壊を招く「共同実施」「共同学校事務室」につながりかねないものと捉えています。
また、共同学校事務室の導入を目指す川教組が各区代表者をはじめ事業実施の中心を握り、各区代表者と川教組事務職員部役員とで構成する会議体も設けられてきました。川教組が事業を自らの影響下に置く意図は明らかです。
「業務増」「干渉・圧力」の歯止めも確認
学労川崎はそうした方向性に歯止めをかけるため、毎年市教委当局に「確認要求書」を提出し回答を受けています。
今年も2/28に交渉を持ち、鈴木職員部担当部長・武田教職員人事課長らとの間で、以下14 項目につきすべて「その通り」とする当局回答を確認しました。
1.事業は年度単位であり、来年度の実施にあたっては要綱第2条に基づき、まず「校長の申し出」と教育委員会による「指定」により相互支援組織構成者が定められ、その中から拠点校の指定があり、しかる後に初めて相互支援組織が形成され始動するものであること。
2.事業への参加に係る「校長の申し出」は所定の様式に基づく書面によるものであること。
3.事業への参加に係る「校長の申し出」の募集者ならびに申し出先は教育委員会事務局であり、特定の学校や事務職員によるものではないこと。
4.事業への参加・脱退は、学校単位ではなく事務職員個々人単位であること。
5.事業への参加・脱退に関する校長の申し出は、事務職員個々人の意向に基づくこと。新採用・新任用者や異動者について、その意向が確認されないまま参加申出書の提出が行われることはないこと。
6.事業への参加・不参加・脱退を人事評価の対象としないこと。
7.事業への参加・不参加・脱退を昇格の判断材料としないこと。
8.事業への参加・不参加・脱退を理由とした人事異動を行わないこと。
9.事業を事務職員全員に関わる事務連絡や情報提供、意向聴取等に用いないこと。
10.事業の実施にあたって、学校事務職員の兼務発令を行わないこと。
11.事業は「学校事務の共同実施」や「共同学校事務室」に当たるものではなく、またそれを目指すものでもないこと。
12.事業に伴う場で特定職員団体への利益誘導や勧誘活動等が行われることのないよう、実施主体として責任を持つこと。
13.事業は学校事務職員の業務増のためのものではないこと。
14.事業は各学校で決定された校務分掌に基づく事務職員の担当業務に対して必要な支援を行うものであり、代表者等が他校の校務分掌(担当業務や主担当・副担当の分担)に干渉・容喙するものではないこと。
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労使確認では、
「業務増のためのものではないこと」「代表者等が他校の校務分掌(担当業務や主担当・副担当の分担)に干渉・容喙するものではないこと」を確認しています。しかし現実には、「代表者やグループリーダーから新たにあれこれ業務を担当しろと、圧力や指導がある」との声が数多く聞かれます。
本来、各校での事務職員の担当業務(=校務分掌)は、学校教育法に基づき各校で決めるもの。課長補佐でも係長でも、他校の事務職員が「この業務も担当しろ」「主担当になれ」などと干渉・口出しするのは法を理解しない「越権行為」に他なりません。
交渉では、労使確認にも関わらずそうした行為がやまない実態を指摘し、担当業務への干渉・容喙は許されない旨を代表者会議で明示するよう要求。当局も「代表者にも管理職にも周知する」と約しました。
また、事務職員への業務上乗せ=業務増を促す「学校業務相互支援事業のイメージ」図についても、「業務増のためのものではない」との労使確認に反するとして撤回ないし見直しを要求。当局は「教員の業務を事務職員が負担する、という意味ではない」と説明した上で、見直しを検討すると回答しました。
23年度、時間外勤務の級ごとの最長時間数は1級で193時間、2級で385時間、3級で550時間にのぼります。「支援」を称するなら業務過多を解消する方向でこそあるべきで、この上さらに業務増を推進する姿勢は「支援」とは言えません。
労使確認の5項にある通り、相互支援事業は個人の意思として「参加しない」自由、そして参加してからも「脱退する」自由が保障されています。6~9項の通りそれによる人事上・業務上の不利益もありません。
事業内や学校内で強制や強要、労使確認からの逸脱、その他問題があれば、学労川崎にご相談ください。
相互支援事業がなくても助け合える
同事業による支援について、「助かっている」という方もおられると思います。私たちも事務職員同士の支援自体は、非常にポジティブに捉えています。
元来事務職員は、相互支援事業が存在しない頃から自発的に、お互い仕事を教え合い、必要であれば直接手助けに行くことをしてきました。そこに職務段階の違いや「代表」「リーダー」といった肩書きはなく、対等な関係の同じ仕事をする仲間として助け合い、支え合ってきたのです。そんな自発的で主体的な関係性を、お仕着せの上下関係・階層化の枠に流し込み、上位/下位、指導/被指導の関係に置き換えてしまうのが、相互支援事業の悪しき特徴です。
今も自発的に助け合う関係は存在します。相互支援事業に参加することなく、しかし孤立もすることなく、他校の事務職員と助け合いながら働いている事務職員はたくさんいます。相互支援事業に参加している方が、事業に参加していない学労組合員に敢えて業務について質問してくることもあります。
学校事務職員は本来、フラットに助け合える存在であり、「相互支援事業」はそんな人間らしい成熟した職の在り方を損ねるものだと、私たちは考えます。
また業務増! 学校運営協議会の
委員報酬執行事務が学校に
市教委当局は2/28夜、学校運営協議会の委員報酬予算執行事務について、来年度から学校(事務職員)に移行する旨の学校宛通知案を、学労川崎に提示してきました。学労は、新たな業務付与=業務増であり労使交渉なき通知は許さないと抗議。3/6に緊急交渉を持ちました。
交渉では合への提案遅れにつき謝罪を受けた上で、業務フローや業務量(約1時間×会議回数)について聞き取り、現場実態に基づく懸念を指摘しました。
提案自体は押し返せませんでしたが、事務職員が担うのは予算執行事務であり協議会事務全般ではないことを確認。また業務負担を事務職員だけが抱えることにならないよう、通知ないし説明資料で「校内情報共有の徹底」「事務職員の業務増の事実説明」を盛り込むよう求め、前向きな検討を約しました。
年度末・始の負担軽減に向け要望
年度末・年度始は学校事務・学校現場の繁忙期。学労川崎は、負担軽減につながる業務改善を目指して2/25、下記3点を市教委当局に要望しました。
1.年度末・年度始の給与・人事・服務・社会保険等関係事務に係る通知は、可能な限り早期に発出すること。
2.年度末・年度始の学校宛文書発出は精選を旨とし、配布・周知・アンケート依頼等の緊急度・重要度の低い文書の発出は厳に慎むこと。このことについて、局内は当然ながら他局や関係団体にも周知すること。教育委員会として実施する周知・アンケート等は、実施時期そのものを改めること。
3.辞令・任用通知書の発行遅延・誤記載をゆめゆめ繰り返さないこと。万が一生じた際は速やかに当該校に連絡すること。
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