忍者ブログ

学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」

「学労川崎」805号(2023年12月12日発行)

定員・予算並びに諸権利に関する交渉報告(前編)

賀詞交歓会廃止 祝金問題で前進回答 徴収金めぐる課題解消に向け認識確認 

 
 学労川崎は8月に提出した「2024年度に向けた定員・予算並びに諸権利に関する要求書」(本紙801号付録掲載)をめぐり11/28、学事課・教育環境整備推進室・給与厚生課・庶務課と交渉をもちました。交渉では「教育関係賀詞交歓会」廃止要求について満額回答があった他、複数の課題で問題意識を共有。改善に向けた前向きな回答を受けました。なお、12月下旬には教職員人事課・教職員企画課と交渉予定です。
 

【学事課】徴収金・行事祝金等めぐる悪習の一掃を求め認識と問題意識を共有

 学校徴収金の取扱いについて、文科省は「学校以外が担うべき」としています。また目下の「学校事務職員の在り方検討」では、徴収金の委託化が検討事項のひとつに挙がっています。現時点のスタンスや検討状況を質しました。
 当局は、「委託ありき」ではなく他の手法も含めて検討しており、関連サービスを展開する業者へのヒアリングも行っていると説明。課題も含め具体的に研究・検討していると回答しました。学労からは、学校現場の負担軽減は重要だがそれにより教委事務局職員に負担増が生じてもいけない、事務局においても必要な人的配置が必要だ、と付言しました。
 多くの学校で、学校徴収金自動振替が職員親睦会費等の業務と無関係な会費徴収に利用されている実態があることについて、今年も問題提起。徴収口座や資金移動の件数が増えればそれだけ業務負担と事務ミス・事故を招くこと、勤務時間中にそれを行う場合職務専念義務上の問題があること、校務分掌である徴収金担当が私的団体の会費処理までやらされるのは許されないこと、などを指摘しました。
 当局も「徴収金用の口座振替については、保護者等からの学校徴収金の徴収に利用することが基本」「金融機関との契約等を見ても、そうしたもの(私的団体の会費)を扱う前提にないという認識」と明言しました。この見解をもとに、「親睦」の名のもと徴収金担当に負担を課す悪習は全校でなくしていきましょう
 これも毎年問題提起してきた、行事等に際しての祝金=現金受領。仮に形式的にはPTAが受け取っているものだとしても、学校内で行われれば公務員の勤務時間中の行為とのバッティングは避けられません。学労川崎は、現金を介した付き合いは時代遅れで他の自治体ではとっくになくした慣習であるとした上で、他市では住民監査請求も出されており、問題になった際に関わった職員の責任が問われる可能性も危惧するとし、「禁止」通知を発すべきと要求しました。
 当局は、実際にある校長からもこの課題で相談があったとしたうえで、問題意識を持ち上層部とも協議を始めていると回答。改める以上全校に浸透させていかなければならないという立場から「通知」の形になるかは別として、今年度中に何らかの取組をする、と明言しました。学労はこれを受け、管理職以外の職員にも伝わるようやはり「通知」は必要だと重ねて述べたうえで、別の視点として、この問題は今なお一部学校にあると聞く、公費で支払うべきものを怪しい金でまかなう悪習の温床でもあると指摘しました。
 公費事務をめぐっては、調達時の「業種・種目」の整理・弾力化と、備品・消耗品区分価格の引き上げを要求。特に後者は国が5万円・横浜市が10万円といった事例を挙げ、「変えないなら変えない理由が必要」と迫りました。前者については平行線に終わりましたが、後者については当局は「なぜ2万円か、ということは会計室に確認する」と引き取りました。また、事務ミス防止等に向け業務説明の機会・内容の充実も求め、重要との認識で一致しました。
 

【教育環境整備推進室】事務室の課題を共有 納得感ある施設修繕対応も求める

 学労川崎は「事務職員の労働条件として事務室は必要」という立場から、1981年の結成以来事務室設置運動を強力に展開。当時1割に満たなかった川崎の事務室設置率を全校設置に押し上げました。そのさなかの82年に市教委が示した「事務職員にとって事務室は必要」との見解を本交渉でも確認。そのうえで、通路化・倉庫化・第2職員室化等の不適正な利用状況の存在を、課題として提示。当局も「執務環境整備の重要性は認識している」と応じました。職員室の狭隘化等の事情はあれど、その解消に事務室を流用することは少数職種差別であり、問題です。
 施設設備修繕をめぐっては、生命・安全にかかわる事案でも予算措置が進まない、市教委の担当が変わると引継ぎがされておらず再申請を求められる、見積をとっても修繕がされず業者にも無駄な負担を与えてしまっている、といった課題意識を伝達。優先順位も不透明であることから判断基準を例示するなど、納得感・公平感のある修繕対応を求めました。
 

【給与厚生課】不要なプライバシー収集等やめるよう要求も平行線

 職員に対する不要なプライバシー収集をやめるよう今年も要求。特に、扶養するわけでもない配偶者の氏名・生年月日・婚姻年月日等を届け出させる「配偶者情報登録」をなくすよう求めました
 当局は「住居手当の重複受給防止」を理由としましたが、婚姻している職員全体のうち、市職員同士で婚姻しかつ夫妻共同名義で住居を借りている(住居手当を受給できるのは契約者のみ)職員がどれだけいるでしょう? 追及しましたが「全庁的にこの扱いなので理解を」という回答にとどまりました。
 同じく扶養親族届において、システム上の続柄が「子」ではなく「長男・次男…」「長女・次女…」とされていることにつき、儒教的な長幼の序列化であり問題だと指摘。当局は児童手当の算出を理由としましたが、この記載では第何子か・18歳超か否かといった算出上の判断基準にはならず、理由になりません。しかしこれも「システム更新のタイミングで指摘が反映されるよう伝えていく」という回答にとどまりました。
 

【庶務課】教委幹部と川教組役員らによる「公金酒宴」廃止要求が実現

 コロナ禍以前の毎年1月、校長・指導主事・教委事務局管理職・出資団体役員、そして川教組・川管組役員らを招き、100万円超の公金(20年実績)を費やして開催されてきた酒宴「教育関係賀詞交歓会」。学労川崎は、不適切な公金支出と労使癒着であると指摘し廃止を求めました。交渉で当局は「来年から廃止する」と回答。交渉後の12/1に学校にも通知されました。学労川崎の要求が実現した形です。
 このほか、学校に発する電子文書施行通知の改善、周年行事の簡素化等を要求。当局は、前者についてルールの徹底を図ると回答。後者について教職員の過度な負担は望ましくないという認識を示しました。
 

 

「共同学校事務室」問題 全校の管理職にも宣伝

 
 川崎市教委が導入を検討している「共同学校事務室」。学労川崎は、学校事務部門の集約により事務職員の人員削減や業務負担増をもたらすとともに、学校現場における一層の人手不足や業務遅滞を招くとして反対しています。こうした問題を広めるべく先月下旬、小中特別支援学校全校の校長・副校長・教頭に宛てて「お知らせ」を郵送。引き続き、導入を止めるべく全力で取り組んでいます
 なお共同学校事務室については、当組合・伊藤がこれまで他の媒体でも問題を論じてきました。今後紹介していきます。今回は「全学労連ニュース」438号(22年6月5日)掲載【私たちはなぜ「共同学校事務室」等に反対するのか】。導入済みの地域も含めた全国状況を踏まえ、現状と問題の整理・確認を試みた論考です。SNS上で噴出する導入地域事務職員の嘆きや苦悩、憤りの声から見える、共同学校事務室の実態も紹介しています。下記リンク(全学労連HP)よりご覧ください。紙面希望の方はご連絡を。
http://gakurou2006.web.fc2.com/news/21/438.htm#1

PR

学校事務職員労働組合神奈川

連絡先
横浜市港北区篠原台町36-28
 東横白楽マンション602
shino3628★gmail.com
(★を@に変えてください)