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学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」

「学労川崎」794号(2023年2月15日発行)

事務職員等の時間外労働上限を定め労働者を保護する「36協定」

川教組による不適法な「全校一括締結」を改善・正常化

 
「残業」。私たちの世界では「時間外勤務」と呼びますが、社会人なら当たり前にあるものだと思われがちです。しかし実はそれは誤り。労働基準法は法定労働時間を1日8時間・週40時間と定めています。労基法上はこれを超える労働がいわゆる残業ですが、残業命令は厳格な手続きを経たうえで初めて許される例外的なもの。その手続きの入口が、使用者と労働者代表の間での「36協定」の締結です。
「36協定」は正式には「時間外・休日労働に関する協定」で、労基法36条に規定されています。残業命令はまず36協定が適法に締結されていること、そして上限時間等の協定内容に反していないこと。このふたつがあって初めて許されるものなのです。
 この36協定は会社単位ではなく「事業場」すなわち職場ごとに結ぶこととなっています。学校でいえば個々の学校単位で、校長と過半数組合又は過半数代表者との間で協定を結ぶのが本来。しかし川崎市ではこれまで小・中・高・特の全校について、市教委と川教組が全校一括で締結してきました。ボス交渉で決められ、現場職員とりわけ36協定による時間外労働上限保護対象となる事務・栄養職員が用務員は蚊帳の外でした。(教員は給特法により保護対象外)
 何より、川教組による全校一括締結が適法である為には、全ての学校で川教組組合員が労働者(会計年度任用職員や校長教頭も含む)の過半数である必要があります。しかし実際にはそうでない学校の存在を学労川崎は確認。昨年8月、市教委当局に申入書を提出し実態解明と改善を要求しました。
 当局は11月には、学労川崎の指摘を受け止め締結手続きを改める方針を表明。3月の次期締結に際しては、川教組が過半数であるかを各校で確認し、そうでない学校では正式な労働者代表を決定のうえ、学校単位で36協定を締結することとなりました。
 一方で、川教組が過半数を占める学校については引き続き川教組による一括締結が続きます。私たちの大切な労働条件を守る協定を不適法な形で締結したうえ、協定違反=違法残業命令を許す無責任な川教組に本来36協定を結ぶ資格などなく、残念なことです。それでも、法令遵守を掲げ適法な締結手続きへと改善させたことは学労川崎の取組の結果です。
 川教組過半数割れの学校では、事務職員は当事者として積極的に労働者代表になっていきましょう。締結手続きについて、学労川崎はバックアップします。
 

 

教職員録の公費購入 辞退可能に

 
 これまで全校一律購入とされ、約6,000円の代金が否応なしに学校配当予算から差し引かれてきた「神奈川県公立学校教職員録」。学労川崎はかねて、全校購入・一括支払いをやめるよう市教委当局に要望。今年も2/1に要望書を提出していました。
 奇遇にもその同日、当局は購入辞退を受け付けるとする通知を発出。今年の要望書とは入れ違いになりましたが、学労川崎の長年の要望が実現した形です。
 貴重な学校運営費は、教職員録より教育活動の充実に回すべきです。なお、同誌を発行する「横浜市教育会館」の実態は川教組のお仲間・横浜市教職員組合。多忙な4月の学校に名簿を要求し、万単位の教職員の氏名と勤務先を世に流通させ、金を集める。そういう在り方自体も問題だと、私たちは考えます。
 

 

臨任学校事務職員の無期雇用転換を求め議会に陳情

当事者の実態と願いを広め、社会的要請として無期転換の実現を目指す取組を共に!

 
 学労川崎は2/13、川崎市議会に対し「市立学校で長年にわたり正規職員同様に働き続けている『非正規学校事務職員』(臨時的任用職員)の無期雇用転換を求める陳情」を提出しました。以下、内容をご紹介します
 学労川崎には臨時的任用職員の組合員もおり、毎年雇用継続を求め当局と交渉。結果、これまで任用が続いていますが、臨任のままでは安心して働き続けられる立場とは言えません。有期雇用地方公務員は全国で約70万人にのぼり、当事者の生活・公務のあり方・社会的影響のいずれの面からみても、社会的課題でもあります。民間職場に続き公務職場にも無期雇用転換を! 学労川崎は本気です。志ある皆さん、共に取り組みましょう。
 
〇陳情の要旨
 川崎市立小・中・特別支援学校で長年にわたり正規職員同様に働き続けている「非正規学校事務職員」(臨時的任用職員)について、無期雇用への転換を実現するよう陳情いたします。

〇陳情の理由
 近年、公立学校における長時間労働や病気休職・退職者の増加、教員志望者の減少、「教員不足」等による教職員未充足といった問題が明らかになっています。こうした中、学校で働く「臨時的任用職員」の存在にも注目が集まっています。
 臨時的任用職員は《フルタイム勤務》で《任用(雇用)期間の定めのある》の公務員のことです。有期雇用ではありますが、「常勤職員(いわゆる「正規職員」)が行うべき業務に従事する」職員と位置づけられており、補助業務ではなく無期雇用の職員と同じ業務を担います。
 この臨時的任用職員が行政機関全体の中で飛びぬけて多く働いているのが学校です。正規職員で定数を埋めきれない「欠員」や、産休・育休・病気休職・中途退職等で正規職員が欠けた際に、補充や代替として任用されています。教員(教育職)だけではなく学校事務職においても「臨時学校事務職員」という名称で、多数が任用されています。
「学校事務職員」は教職員の一員として学校に勤務し、教職員の給与・旅費(出張経費)・人事・福利厚生に関する事務や学校運営に関する公費予算管理と物品調達事務、既存物品・施設の管理・営修繕事務をはじめとして、学校における総務・経理・庶務事務全般にあたる職員です。ほとんどの学校で1人ないし2人配置ですが、それでいて多岐にわたる業務を一手に担っています。「臨時学校事務職員」ももちろん同様で、配属によってはその学校でたったひとりの事務職員として、幅広くかつ重要な業務を担い川崎市の学校運営=公教育を支えています。
 しかし、有期雇用であるため雇用不安=生活不安が付きまといます。任用(雇用)期間が最長で1年と定められているため、当事者はとりわけ12月から3月ごろにかけて毎年、翌年度の任用があるか、なかった場合生活はどうするのか。不安にさいなまれています。
 採用試験を受験し正規採用を目指す臨時的任用職員もいますが、学校事務職の採用試験受験資格は29歳までで、これを超えた非正規学校事務職員には正規採用への道さえ開かれていないということになります。
 川崎市には、毎年度の繰り返し任用によってすでに10年以上勤続している臨時学校事務職員が何人もいます。蓄積された経験と発揮してきた業務遂行、そして長年学校運営に支えてきたその能力・意欲は、重ねてきた年数によりすでに充分に実証済みであり、本来は有期雇用の繰り返しではなく希望に応じて正規採用すべきです。
 民間職場では労働契約法により、有期雇用労働者の雇用期間が5年を超えた場合に、本人が申し込めば無期雇用に転換しなければならないと定められています。同法は公務員は適用除外とされていますが、有期雇用の広がりと固定化による雇用の不安定化は、当事者の社会生活に困難を生じさせることはもちろんのこと、社会全体の雇用環境の切下げ、消費抑制による国内経済の冷え込み、結婚生活や子育てに対する経済的不安に起因する少子化の進行等も招くもので、社会的にも大きな問題です。有期雇用が広がり固定化することによる、当事者の困難と社会への影響について、民間も公務も違いはありません。
 非正規学校事務職員の多くは同時に「川崎市民」でもあります。
 私たち正規・非正規の学校事務職員は一体となって、本件の実現について陳情いたします。
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学校事務職員労働組合神奈川

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横浜市港北区篠原台町36-28
 東横白楽マンション602
shino3628★gmail.com
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