新旅費システムの早急な改善を!
12項目の改善点を示し近日交渉
新旅費システムが導入されて3か月。徐々に慣れてはきたかもしれませんが、システムの設計・導入に責任を持つ市・市教委当局はいまだに十分なマニュアル整備を行わず、システム改善の形跡も見られません。相変わらず現場学校事務職員の努力と創意工夫、そして入力する各職員の負担(時間・労力とも)に頼り切りです。
複写機能の改悪が影響し、順次始まった校外学習・修学旅行・自然教室等の入力の煩雑化には毎度辟易します。動作環境の遅さも相変わらず。例えばある日の16時台はこんな有様でした。
▽旅費システムが立ち上がるのに40秒
▽決裁待ち案件を選択して表示されるのに70秒
▽内容確認後「承認」をクリックして次画面(確認画面)が表示されるのに50秒
▽確認画面で「実行する」をクリックして次画面(完了画面)が表示されるのに20秒
▽完了画面で「OK」をクリックして次画面が表示されるのに30秒
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旅費1件の決裁のために、
ロードや処理中のグルグルを眺めている時間だけで3分半を浪費。こんなシステムのどこが「SMART SHOMU」なんだ!と思った方は多いことでしょう。
さらに最近、「復命(旅費有り)」で入力されたゼロ円出張案件について、総務事務センターがわざわざ差し戻してきたとの話も耳にしました。
学労川崎は4月当初、市教委に対し「システム動作環境改善」「マニュアル整備」「予算科目の自動選択」を要求(前号既報)。さらに6/18に12項目の具体的な改善点を示し、交渉協議を求めています。
要求事項はシステム改修を伴うものだけでなく、市教委当局の判断で実施可能な事項も盛り込んでいます。
事務負担軽減と教職員全体の入力負担軽減を進めるのか否か。市教委当局の意識が問われます。
出張命令・復命入力について
・所属内の他の職員の出張命令を複写して出張命令を作成できるようにすること。
・出張先手入力時の所在地について、住所選択ではかえって煩雑となっているため、すべて手入力とすること。
・出張先検索における最寄駅機能はわかりづらく、経路誤入力も招くため、なくすこと。
・復命入力について、旅費の有無で選択メニューを分けることをやめること。
予算科目選択について
・従来同様、一度選択した科目が年度内は自動表示される仕組みとすること。
・普通旅費科目と宿泊等旅費科目との文字表記を異なるものとすること。
・復命入力時にも予算科目を修正できるようにすること。
職員情報システムとの連携について
・復命時に修正した時間は、所属長決裁時点で職員システムに反映されるようにすること。
・回議中の出張命令を、職員情報システム出退勤管理画面において休暇等と同様に*印で表示すること。
旅費担当者による機能について
・旅費担当者において、所属内の他の職員の出張命令を複写して別の職員の出張命令を作成できるようにすること。
・所属内職員の通常の決裁ルートについて、旅費担当者により指定できるようにすること。
服務管理について
・ゼロ円出張の場合は、職員情報システム出張届のみの入力でも可とすること。
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4/1人事結果交渉
問題の個人化ではなく制度改善を
学労川崎は6/4、市教委当局と人事異動・職員配置や組合員の雇用、昇格、昇給について交渉を持ちました。
人事異動・職員配置・組合員の雇用
人事異動・職員配置をめぐり学労川崎は昨年10月、主に以下の旨を申し入れました。
①地区・校種・勤務環境・通勤条件(交通機関で90分以内)等につき、本人希望最優先を。
②地区・校種につき、第3希望以下の場合は内示前に本人に説明を。
③再任用・臨時的任用・任期付職員についても、①同様の考えで対応を。
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当局はこれに対する4/1異動・職員配置結果について、以下のように回答しました。
①希望になるべく沿った。90分超はいない。
②第3希望が1人。通勤の便は良い。本人の不満は、校長ヒアリングを通す限りは聞いていない。
③希望を踏まえながら配置。
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第3希望以下の場合の対応に課題が残りました。希望に合わない異動を強いられても、異動先校長に積極的に不満を申し立てなければ市教委からは「それで良し」とみなされてしまうようです。
ただ、そもそもそうしたことにならないことが一番。学労川崎は組合員個々の異動についても、前年度段階から希望の実現のため取り組んでいます。
また同様に取り組んだ臨時的任用・任期付職員組合員の雇用継続では、全員の4/1雇用を確保しました。ただ、その経過の中で課題も生じたほか、継続的な雇用確保の取組は続きます。交渉ではそうした問題意識を示し、今後引き続きの雇用保障について改めて申し入れました。
人事評価と昇給・ボーナス
市費移管時に導入された、人事評価制度における「困難度」。主観性と恣意性の高いこの制度が、最終評価に大きく影響します。困難度Aならほぼ最終評価4以上、一方困難度Bならその時点で最終評価5は絶望的です。
最終評価がただの数字ならそれは結構。しかし川崎市は、最終評価を次年度の昇給幅と2度の勤勉手当の決定にそのまま適用する、他自治体には見られない過度な評価主義賃金制度を敷いています。
課題は数字から明らか。制度改善を求めました。
4・5級昇任昇格
10年足らず前までは年齢・経験年数に沿った昇格が当たり前でしたが、市費移管以降は崩壊。特に4・5級で年齢・経験年数と在級の逆転が進み、片や20年目にも満たない5級職員、片や30年目を超えた3級職員という賃金格差が生み出されています。
当局は「職務遂行能力を有するか選考した結果」としましたが、そこで言われる事務職員の「職務」とは何か。その「能力」とは職場や心身やプライベート等様々な周辺環境と切り離されて個人が固定的に持つものなのか。仕事を個人の能力に帰したうえで格付ける上位級は何のためか。疑問は尽きません。
今年4/1昇格では、5級1人・4級ゼロと市費移管以来例のない少数発令。学労川崎は入口である校長推薦も含めた選考の仕組みや、現行の人材育成体制の課題を質しましたが、当局は「級に見合う能力を発揮できなかった結果」との見解を示しました。
【新コーナー】
2文で回答・続きはwebで
このコーナーは仕事上の素朴な疑問に2文で“結論のみ”回答します。理由や意味を解説する“続き”は、本紙本号web版をご覧ください。
Q:互助会の事務って事務職員の仕事ですか?
↓
A:違います。任意団体の役割は会員同士で対等に決めましょう。
(以降webでの続き)
ここでの「任意団体」は法的な意味ではなく、加入・非加入が自由(任意)の団体という意味で表現しました。
互助会の正式名称は「川崎市立学校教職員互助会」。独立した一般財団法人であり、川崎市や教育委員会の機関ではありません。また公立学校共済組合のように、法的に加入が義務付けられているものでもありません。ご承知の通り、加入するかしないかは職員個々の自由判断です。
そうした点では、職場親睦会や川教組・学労川崎等の労働組合ともなんら変わりません。
ですから、あなた自身が互助会に加入していたとしても職種を理由に一方的に役割を押し付けられるのはおかしいし、まして加入していなければ無関係な団体の事務をやる筋合いなんて、まったくありませんよね。
根本的に、互助会事務は「公務」には当たらないと考えます。公務でない以上、職種を理由に事務職員の仕事とされるいわれはないし、校務分掌で割り当てるものでもありません。
事務担当が必要ならば、望んで加入した人たちの間で決めれば良いのです。そしてその場は、職種も職位も関係なく校長も教頭も教諭も事務職員もみな等しく「会員」として、対等に決める場であるべきです。(文:伊藤)