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学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」

「連帯」No.304(2022年10月11日)

>>> 全学労連・全国学校事務労働者交流集会 福島で開催 <<<

「事務職員の自立」に向けた学労運動をともに

 
 がくろう神奈川も組織参加する、学校事務職員による独自組合等でつくる労働団体・全学労連(全国学校事務労働組合連絡会議)。その全学労連が毎年開催する「全国学校事務労働者交流集会」通称「全交流」が、9/30・10/1の両日に福島県二本松市で開催された。
 20・21年はコロナ禍により開催できず、実に3年ぶりの発表・議論・交流の場。本集会・懇親会とも大いに盛り上がった。
 プログラムは、学校事務労働運動(学労運動)初期メンバーのひとりで、1971年結成の都学労(東京都学校事務労働組合)で初代書記長を務めた酒井雅親さんの講演から。ご本人は残念ながら体調を崩され出席できなかったが、しっかりした講演録をご用意いただいていたため現役メンバーが代読。50年前の学校事務職員が置かれていた状況と、それに立ち向かう学労運動最初期の生き生きとした様が共有された。
 昼食の注文・支払や違法な諸会費校内控除、果てはお茶くみ・タバコの買い出しと、教員が事務職員を手足のごとく使うのが「当たり前」だった学校職場。数十人の教員集団の「常識」に1~2人の事務職員が立ち向かう力が、学労運動だった。当時の組合員の言葉「事務職員の自立の精神が獲得された」が印象的。その必要性と意義は、50年経った今もなお失われていない。
 続いて元・現全学労連議長がそれぞれの立場から全学労連の「むかし・いま・みらい」を語り、会場も交えて議論。事務職員だけでなく学校労働者全体を射程に入れた労働運動の重要性を共有するとともに、風通しがよく情報共有を密にし、ひとりひとりが発信しいろいろな人がいろいろなことをやれる、居心地のいい全学労連を展望していきたいとの声があった。
 翌日は共同実施・共同学校事務室と事務職員の業務負担増の実態について、調査報告と議論。「チーム学校」「働き方改革」の流れの中、「より良い事務執行のため」でさえなく「教員の負担軽減のため」の共同実施が各地で進行している実態が明らかになった。「学校運営参画」「事務をつかさどる」などと言いつつ、結局事務職員を教員の業務下請けと位置付ける点で、50年前となんら変わらない現実がそこにある。「事務職員の自立」は共同実施ではなし得ない。学労運動にこそある。

◇     ◇    ◇

 なお全交流翌日の10/2、オプショナルツアーとして、福島県浜通り地域にある「震災遺構浪江町立請戸小学校」と「東日本大震災・原子力災害伝承館」を見学した。参加者の声を紹介する。
▽津波によって損壊した請戸小学校校舎1階部分には津波による破壊の跡や被災当時の備品なども残されていた。原子力災害伝承館では原発事故への対応が震災当時、いかに混乱していたかということが良くわかる展示内容だった。

▽実際現地に行ってみると“見学”という言葉が軽く感じられた。11年の経過と神奈川で暮らしていることが問題・課題を遠ざけていた気がする。多くの人に現地福島県に行ってもらいたいと思うと同時に、政治家こそ「原発新設」を言う前に現地を見てもらいたい。沖縄基地問題にも通じるとも思った。
 

 

「湘南支部」ふたたびGo!!――校長交渉・藤沢市教委申し入れでさっそく成果

 
 6月、がくろう神奈川に藤沢市より新たな組合員が加入し、9月の執行委員会での確認をもって5年ぶりに「湘南支部」が再始動した。
 この組合員が所属する学校では、管理職による事務職員へのパワハラ・職務軽視・無理解が常態化していた。事務室の空調故障に対しては「事務室にエアコンは不要。職員室で仕事をすればいい」とまともに取り合わず。年度末、職員の異動に関する情報をなかなか知らせず、異動書類の準備に支障が出る時期になっても「もう知ってるでしょ?」と茶化す。給与事務等で校長決裁を求める場面では「私は事務の素人だから」と責任逃れ。一方で普段使用しないプリンターのインク補充が少し遅れただけで、「私が事務だったらこうはしない」と「素人」らしからぬ論評。在宅勤務を「ずる休み」、育児休業を「バカンス休暇」と言い換え、揶揄する。
 そんな状況であったが、組合加入後すぐに役員出席のもと校長交渉を設けたところ、その席で「そんなつもりは無かった。不快な思いをさせたなら悪かった」と謝罪。自身の言動の問題を認識させることができた。以降、不適切な言動はほとんど無くなり、必要な情報提供や事前協議が日常に自然と現れ始め、良好な労使関係・職場環境のもと職務にあたれるようになった。
 懸案の事務室空調は、3年前から故障したままだった。南向きの事務室は特に夏の暑さが酷く、スポットクーラーによる簡易な対策を続けたが事務職員に熱中症のような症状が出る事態が毎夏起きていた。がくろう神奈川は労働安全衛生上重大な課題だとして、6月末に藤沢市教委に対して申し入れを行った。そうしたところ、2か月後には早々にエアコンが更新された。
 湘南地区における5年間の空白は、市教委との関係性や職場環境を少しずつ悪くしていたようだ。今回の湘南支部再始動をきっかけに、ひとりでも多くの学校事務職員が自分らしく不安無く働けるよう状況を作り出していきたい。今後も学労運動の輪を広げていこう!
 

 

秋の賃金確定期に向け横浜・川崎で人事委員会要請

 
【横浜】横浜支部は8/1、市人事委員会に対して今年の勧告に関する申し入れを行った。世界的な資源高騰、そしてアベノミクスによる出口なき金融緩和・円安政策も相まって、空前の物価高を巻き起こしている。今年の春闘では大手企業を中心に平均2%超のベースアップが実現したが、現在の物価上昇率はそれをも上回る勢いだ。この日の申し入れでは人事委員会事務局に対して、物価上昇率をも加味した賃金の大幅引き上げ、不合理な住居手当の支給制限撤廃などを訴えた。

【川崎】川崎支部は8/3、市人事委員会に対し給与勧告並びに人事管理報告に関する要請書を提出。9/1には事務局調査課との間で重点事項申し入れと意見交換の席を設けた。臨任職員への実質的な賃金上限として作用している初任給経験年数加算上限(10年)の撤廃、初任給決定における下位区分適用の導入、時間年休取得制限の撤廃、子の看護休暇(現行小3まで)の改善など、具体的な課題で問題意識を共有。要請内容については委員会の場で報告するとの約束を受けた。
 

 

「国葬」―「祭り」の後に来るもの~権力の私物化と社会の軍事化に警戒を

 
 9/27、安倍元首相の「国葬儀」が強行された。政府は国葬当日を休日にせず、弔意要請の閣議決定も見送った。幅広い人々の「反対」の声が、政府をして「強制」色を薄めざるを得ない状況に追い込んだ。
 死去の際には記帳所設置や半旗掲揚等、県及び県内自治体でも浮足だった対応が見られたが、国葬ではとりあえず学校現場は無風。横須賀市長や黒岩県知事等、国葬を積極的に評価する首長もいる一方で、葉山町や鎌倉市の議会が国葬の反対・撤回を求める意見書を可決するという動きも見られた。
「通知」という形での強制が無かったとはいえ、国葬の実施が人々に対して、安倍氏の死、あるいは安倍氏そのものを「特別な出来事」「特別な存在」と意識づけることに変わりはない。そうした点で、「国葬」は行うこと自体が意識の強制であるし、万人の平等に反するものだ。
 参加者は予定を大きく割り込み、海外要人の多くも欠席。国会前の抗議デモには15,000人が集まり、国葬「強行」が赤裸々になった。一方で、家族葬にも前代未聞、自衛隊の儀仗隊が参加。国葬当日も儀仗隊による「と列」、空砲を19発放ち弔意を表す「弔砲」、音楽隊による「奏楽」、また葬儀場に向かう途中に防衛省に立ち寄る等、国葬が自衛隊に支えられ執り行われたという事実は重い。
 教基法「改正」、安保法を制定し「改憲」の志半ばで亡くなった元首相の遺志を継ぐと岸田首相は弔辞で宣言した。「『国葬』という非日常の場を使って、軍事的なものが、社会に『定着』させられていく。国葬という形で行われた『権力の私物化と社会の軍事化』(水島朝穂・憲法学)」という政治的目論みと対決し、次を許さないための闘いに連帯しよう。
 

 
〇組合加入・労働相談歓迎〇
組合加入随時受け付けています。また、過重業務やハラスメント、賃金、人事評価、職場環境等の労働相談にも対応しています。表題横メールアドレスに、お気軽にご連絡ください。

〇一時金カンパありがとうございました〇
多くの方からあたたかいカンパを寄せていただきました。大切に使ってまいります。

〇がくろう神奈川は7/7に第26回定期大会を開催。常勤・臨任の新組合員も参加のもと、運動方針を以下の通り固めました。引き続き、労働者の立場に立った労働運動を進めていきます。
▽教育の民営化に反対し、学校事務職員制度の解体を阻止しよう
▽労働基本権を奪還し、労働条件改善を勝ち取ろう
▽諸権利の防衛・拡大を実現しよう
▽職場の管理強化を許さず、差別・分断を打ち破ろう
▽女性労働者に対する差別・分断を打ち破ろう
▽有期雇用労働者の労働条件改善を実現しよう
▽国家主義的・新自由主義的教育改革と対決しよう
▽組織を強化・拡大し、すべての労働者と連帯しよう
▽政治的・社会的課題に積極的に取り組もう
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学校事務職員労働組合神奈川

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