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学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」

「連帯」No.296(2021年1月25日)

組合結成40年―これからも労働者の立場に立った労働組合運動を

 
 はじめに、この1月で学校事務職員労働組合神奈川は、前身の「神奈川県学校事務労働組合」結成から数えて40年になりました。
 事務室設置、法定外控除拒否、給与振込制度導入反対、諸手当認定事務学校移管反対、義務教育費国庫負担外し阻止、学校事務の共同実施反対、任用差別撤回、組合員への不当逮捕・弾圧に対する救援・不起訴奪還、新人学校事務職員解雇撤回、地域共闘・争議支援、労働相談等々……様々な運動や闘いに向き合い全力で取り組んできました。組合員だけでは勝利しきれない課題も多くありました。この場を借りて、全国・全県の皆さまにお礼申しあげます。
 さて、年が改まりましたが、とても「おめでとう」なんて言う気にはなれません。新型コロナウイルスの感染が世界中で猛威を振るっています。この国においては、安倍政権時の初動の失敗とその後の対応のまずさが決定的に尾を引き、さらにそれを引き継いだ菅政権が「Go To」キャンペーンに固執したことが、現在の感染爆発を引き起こしたと言っていいでしょう。そもそも「Go To」 は感染が収まってから実施するものだったはずです。そのうえ、東京オリンピック・パラリンピックは「不要不急」ではないでしょうか。オリ・パラ開催にこだわり感染爆発を引き起こした前政権とその政治的姿勢を引き継ぐ現政権に、この国の行政は任せられません。
 こうした状況下だからこそ、労働者・労働組合の取り組みが重要です。昨年の全国一斉学校休校に際して私たちがくろう神奈川は「そもそも、法的根拠のない要請であるが、休校実施に踏み切るのであれば、①非正規雇用の職員の賃金を保障すること ②職員やその家族の状況を踏まえ特別休暇や職免などを準備すること」を直ちに当局に要求しました。国や当局の政策の誤りであったり足りないところに対しては、労働組合として正していく義務と責任があると思います。
 労働者をとりまく全体状況をみれば、コロナ禍での失業が増えています。それも、非正規雇用労働者に多く特に女性労働者が目立ちます。労働契約法やパートタイム・有期雇用労働法など一定の労働者保護を定めた法律があり、労働組合が当該労働者とともにこれらを有効に使って取り組むことが求められています。
 私たちの職場にも非正規雇用の労働者がいます。会計年度任用職員制度により一定の条件を満たせば期末手当が支給されるようにはなりましたが、年収ベースではほとんど変わらないなど、制度の主旨を反映していない例が多くみられます。その上、労働組合法の適用が除外され、労働者としての基本的権利が奪われてしまいました。私たちがくろう神奈川は、学校事務労働者なら誰でも加入できます。非正規雇用労働者の任用継続は最重要課題。臨時任用の組合員について当局に雇用継続を申し入れ交渉を持つなど、具体的な取り組みを展開しています。
 文科省による「標準的職務」例示の地教委レベルでの実体化に反対するとともに、教員の変形労働制導入が今年度中に12道県で準備されている現状に警戒を強めます。「共同実施」阻止も全力で取り組みます。
 がくろう神奈川は労働相談を随時受付ています。最近も管理職からのパワハラ被害の相談に対応しています。ご相談がありましたら、お近くの組合員まで!
 今年も宜しくお願いします。
 

 
全学労連中央行動 文科省交渉や国会議員要請に取り組む

標準職務通知は「網羅的なもの」 文科省明言 

 
 がくろう神奈川も参加する、学校事務職員による独自組合の共闘団体・全学労連(全国学校事務労働組合連絡会議)は11月27日、「『標準職務』なんていらない!」をキーワードに中央行動・討論集会を開催した。行動では文科省、総務省、財務省、都道府県教育委員会連合会、そして文教関係国会議員に向けて交渉・要請に取り組んだ。
 文科省交渉では、昨年7月に発出された学校事務職員の標準職務参考例通知が重点課題に。全学労連は同通知について、教員や副校長・教頭が担ってきた業務を軒並み事務職員に転嫁し、膨大な業務量・広大な業務範囲を、1校1人配置がほとんどである少数職種の事務職員に負わせるものだと批判。職務内容を子細に挙げた職務表は服務監督権者や学校管理職に対し先入観や固定観念を与え、事務職員の業務負担が顧みられることもなく適用されかねず、多くの事務職員が過酷な業務量に追われ過労死に至る惧れもある、と追及した。
 これを受け文科省は、「標準職務は各市町村教委が定めるもので、通知はその基礎資料」「表は網羅的なもので、各自治体がそこから必要なことを抽出してもらえばいい」と回答。通知にある標準職務表の職務全てを事務職員がやらなければならない、という趣旨ではないことが明らかになった。
 また、事務職員の標準職務として同通知に盛り込まれた学校徴収金事務については、本来は地方公共団体が担うべきとされていることから、それが実現するよう人的・財政的措置を行うよう要求。定数改善や臨時職員の待遇改善についても現場の課題を指摘し、文科省の姿勢を質した。
 このほか、総務省とは臨時・非常勤職員課題として同一労働同一賃金や無期雇用転換の実現について、財務省とは教職員定数改善やGIGAスクール構想に関する予算措置について、教育委員会連合会とは学校現場の働き方について、それぞれ交渉。国会議員に向けては、学校現場の働き方の課題やGIGAスクール構想の問題点を伝えた。
 私たちは、「標準職務」をテコとした学校事務職員への業務増大を許さない。中央行動で得た情報や確認を、今後の対教委交渉や学校現場での取り組みに生かしていきたい。
 

 

映画評「プリズン・サークル」(東風・2019年)

 
 坂上香監督のドキュメンタリー映画『プリズン・サークル』の舞台は、日本の島根あさひ社会復帰促進センター。受刑者同士の対話をベースに更生を促すTC(回復共同体)のプログラムが導入されている日本で唯一の刑務所です。
 訓練生たちは自分の生い立ちを振り返ったり、犯した罪について言葉にしていく作業をします。そこで聞かれるのは、いじめ、虐待、暴力、差別、痛み…。わたしは、正直に言うと自分の過去や想いを言葉にすることに強い苦痛を感じるので、とても驚かされました。しかし、映画を観るとただそのような時間が設けられてるというわけではなく、支援員と訓練生の間には信頼関係があり、安全な場所作りありきということがわかります。また訓練生たちも言葉にするまでに苦しい思いをしたのではないかと想像しました。わたしは、訓練生たちが言葉を紡ぐ姿を見て、聞いて、少しの勇気をもらった気がしました。
「暴力の連鎖を止めたいと願うすべての人へ」という最後の言葉が今も胸に刺さっています。
(安)
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学校事務職員労働組合神奈川

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