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学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」

「連帯」No.293(2020年6月15日)

新型コロナウイルス感染症パンデミック下の労働者の現状

生活・雇用・権利を守る労働運動を共に!!

 
 6月に入り少しずつ「日常」が戻りつつある。私たちの職場である学校も、現場の様々な工夫の末に再開にこぎつけた。安倍首相による2月27日夜の突然の「臨時休校要請」から、実に3ヶ月もの時が経ってしまった。首相の「何かやらなければいけない」とのあせりから、それが与える影響を顧みることもなく、規模も全国一斉・一律という形で、法的にも科学的にも何の根拠もないままに発した「要請」は、当事者の児童・生徒・保護者・教職員、学校現場はもとより、教育委員会や学童施設といった関係各所、そして社会全体に大きな混乱をもたらした。
 PCR検査の抑制、1人10万円の世帯給付に至るまでの迷走と手続きの混乱、事業者向け給付金の支給遅延と事業をめぐる官民癒着、世帯2枚の布マスク、的外れな「Go To キャンペーン」予算、「#うちで踊ろう」動画投稿etc. これらを振り返れば、この国の首相(政府)の行政能力は著しく低いものと断じざるを得ない。すべては初期対応の失敗から始まった。東京オリンピック・パラリンピックの「完全な形での開催」にこだわり続けた結果ではないか。政府の仕事はイベント開催ではない、この国で生活するすべての人の命を守ることだ。
 私たちは、国・自治体に検査体制の充実、医療体制の強化、収入保障、家賃補助を含む住むところの確保等々を要求する。
 併せて、労働組合として職場の問題にしっかりと取り組んでいく。新型コロナ感染のパンデミックの中で、職場での感染予防対策はまだ十分ではない。当組合も参加している神奈川県労働組合共闘会議(県共闘)の仲間には、医療・介護・食料品・運送運輸・清掃など、リモートワークとは全く無縁で感染に細心の注意を払いながら働いている労働者も多くいる。数百人が毎日集まる学校現場も決して安心できない。労働者の安全と健康を守る取り組みが必要だ。
 また、前出の業種・職場の労働者に対しては、感染リスクを過剰に避けようとする心理から来る排除・差別や中傷・バッシングなどが起きている。県共闘の仲間である寿日雇労働者組合などが長年にわたり日常的に取り組んできた生活困窮者向けの炊き出しにも、最近妨害が入るようになった。(炊き出しは継続中です!)
 他方で、県共闘が日常的に取り組みがくろう神奈川も相談員を担っている労働相談業務は、重要性を増している。解雇・倒産・休業による収入減、休暇取得の強要、労働安全衛生など、新型コロナを背景とした相談件数が増えている。
 私たち労働組合には、生活を、雇用を、権利を守る取り組みが求められている。厳しい状況だからこそ寛容さを失わず、学校事務労働者、学校労働者はもとより、地域・全国の仲間とともに支え合い連帯して運動を進めていきたい。
 

 

緊急事態宣言解除で学校再開も… 学校現場が抱えるさまざまな懸念 
 

★3ヶ月にも及ぶ休校の末にようやく再開された学校だが、新型コロナウイルスはいまだ猛威を振るっていて安心できる状態ではない。政府が緊急事態宣言の解除に踏み切ったのは、人々のことを考えてと言うよりは経済優先の論理だろう。国は感染防止を名目に私たちに「新しい生活様式」を強制し、文科省は「学校の新しい生活様式」を通知。学校はてんやわんやだ。
 そもそも全国一斉休校は安倍首相の一言で突如始まった。専門家の意見を踏まえたわけでもなく科学的根拠無し。5月、日本小児科学会は「感染防止効果は乏しい一方、子どもの心身に及ぼすデメリットが大きい」等とする報告をまとめた。果たしてそのデメリットは回復できるのだろうか。
★学校では、在宅勤務やオンライン授業等考える間もなく事態が動き出したが、公教育を市場に開放していく道筋も作られ今後の学校のあり方を根本から変えていく懸念も。コロナ以前、焦眉の課題であった「教員の働き方改革」で心配された「1年単位の変形労働時間制」導入(2021年4月施行)の動きも、夏休みの短縮等でどこかへ吹っ飛ぶ有様だ。
突如浮上し沈没した「9月入学制」同様、様々な問題が当事者そっちのけで政治の都合に振り回される。のんきに喜べない。
★子どもたち1人1台タブレット端末配布の「GIGAスクール構想」が前倒しで動き出した。さらに小6・中3のための教員加配、学級担任補助や放課後・長期休業中等の補習授業にあたる学習指導員、スクール・サポート・スタッフの追加加配等も国の第2次補正予算に盛り込まれた。矢継ぎ早の動きだが、同時に文科省からは「教科書の2割を授業以外で」との通知が出され、補習や家庭学習で補う方向性が示された。「学びの保障」の名のもとに学校や家庭への新たな負担が始まった。
 学習指導要領に縛られ分厚い教科書全部を教えろと言われても、子どもや教員はしんどい。今年度限りの場当たり予算では現場の助けにもならない。学校の負担を増やし、教育格差を拡大する政策にはきっぱりNoを!
 

 

がくろう神奈川の取り組みで進む事務室の環境改善

 
 がくろう神奈川はこの4月、異動した組合員の所属校長に「学校における労働条件に関する申入書」を提出し、うち課題の見られた複数の学校で校長交渉をもった。
 特に大きな課題となったのが事務室だ。校長室と職員室に挟まれた事務室が両室間の通路と化している、学校に1台しかないコピー機が事務室に配置され機器の騒音に加え利用する教員がひっきりなしに出入りする、鍵庫や児童生徒の個人情報帳票まで事務室に置かれる、教員が目の前で断りもせず事務室の電話を使い始める、職員室の手狭(実際はそうでもない)を言い訳に他職種職員の机も置かれる、などなど…。
 事務室は学校事務労働者が労働条件=労働環境として勝ち取った大事な権利だ。しかし少数職種ゆえに、立場が弱いと見られればたちまち浸食される。管理職・教員の多数を背景としたさまざまな理不尽の押し付けにさらされがちだ。
 交渉では現状の異常さや環境の劣悪さを指摘し、いずれも改善を勝ち取った。黙っていては自分の働く環境は良くならない。事務室環境の改善を求める方は、がくろう神奈川へ!
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学校事務職員労働組合神奈川

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shino3628★gmail.com
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