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学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」

「連帯」No.288(2019年6月10日)

学校事務職員の標準職務モデル案の提示「今年度中には」

文科省「一律強制ではなく各自治体の状況に応じて職務は割り振られるべき」 

 

業務負担増大招く「標準職務モデル案」

 がくろう神奈川も参加する学校事務労組の全国組織・全国学校事務労働組合連絡会議(全学労連)は5月31日、文科省と交渉を持った。課題のひとつは、国が示すとしている学校事務職員の「標準職務モデル案」だ。
 文科省は2017年12月、中教審学校における働き方改革特別部会の「中間まとめ」を受け「学校における働き方改革に関する緊急対策」を発表。そこにおいて、学校事務職員の「標準職務を明確化し,各教育委員会の学校管理規則に適切に位置づけられるようモデル案を作成し,提示する」と打ち出した。
 この「標準職務モデル案」は、中教審「中間まとめ」や文科省「緊急対策」の全体の論調と照らし合わせてみた時、学校事務職員への業務押し付けを狙ったものとなることが強く危惧される。「中間まとめ」は事務職員について「教師の事務負担の軽減や事務職員の学校運営への支援・参画の拡大等」を進めるべきと謳い、具体的には未納金督促も含めた学校徴収金の徴収・管理、地域連携の連絡・調整窓口、調査・統計への回答、学校行事等の準備・運営などを学校事務職員に負わせるとする考えを示している。「標準職務モデル案」がまさにこの通りとなれば、教員の事務負担軽減のために膨大な業務を事務職員に負わせるべしとする方向性を、国が提示する事となる。現場への影響も大きい。
 

「強制ではなくあくまでモデル案」

 当初は18年度中に提示とされていたが、まだ公になっていない事から全学労連からまず作業状況を質問。文科省は、現在作業中であり今年度中には示したいとした。もともとベースがないところに作成をしている事、他職種の業務との関係や、すでに標準職務を設けている自治体と齟齬が生じないよう配慮する必要などがあり、時間がかかっているとした。
 全学労連からは、全国的に見れば学校規模も職員配置も業務内容も千差万別の中で文科省が一律に標準職務を示せば、無用な混乱を起こすと指摘。市区町村費事務職員の配置も低調でむしろ配置を引上げる動きも進んでいる中で、さらに業務押し付けが進めば学校事務職員の労働環境は深刻化すると訴えた。
 これに文科省は、提示するのはあくまでモデル案であり一律強制というものではなく、それぞれの自治体での職員配置等の状況・実情に応じて職務は割り振られるべき、と回答した。
 

共同実施で10校5名体制に人員削減!

 交渉ではこの他、東京都で推進されている共同実施による人員削減について、共同実施=共同学校事務室が法制化された17年の国会答弁や国会附帯決議に反するとして文科省の認識を追及した。対する文科省は、法制度上の共同学校事務室の方向性とは異なるがすなわち法律違反とまでは言えない、と歯切れの悪い回答。
 東京・狛江市では今年度から10校に対して学校事務職員5名体制での共同実施が行われている。昨年度から半減という惨状だ。
 国会附帯決議は「共同学校事務室の設置が事務職員の人員削減につながることのないよう」と謳う。この決議は私たちの取組の成果であり人員削減を許さない武器であるが、同時に、常に人員削減につながりかねない共同実施=共同学校事務室の危険な本質を指し示している。とすれば私たちが何よりもまず採るべき道は、共同実施自体に反対する事だと確認しておきたい。
 

 

解放感あふれた5・1メーデー行動

 
 5月1日、五月晴れの空の下、神奈川労働運動交流、神奈川ユニオン協議会、神奈川県労働組合共闘会議の3者共催のメーデー集会が横浜・反町公園を会場に開催された。がくろう神奈川からも多くの組合員がこれに参加した。
 集会は主催者挨拶から。8時間労働制獲得の歴史、メーデーを5月1日に行う事の意義、最低賃金の大幅引上げや、この日が天皇の代替わりの日である事に関連して元号の問題性や祝意強制反対などを訴える力強い挨拶で始まった。続いて争議報告・支援要請などがあり、後半は外国人労働者によるスペイン語の労働歌や手品などの出し物で盛り上がった。
 集会終了後、沢渡中央公園までのデモ行進を行った。県共闘の隊列ではトランジスタメガホンを肩に担いでシュプレヒコール。そのせいか例年以上に皆の声が元気に力強く感じられた。
 沢渡中央公園では昼食後、メーデー祭として綱引きや手押し相撲などのゲームも行われた。県共闘は各単組の紹介も兼ねて、取り組みや争議報告を行い、全体としての行動を終えた。
 労働者の祭典メーデーはやはり5月1日に行ってこそ。今年は天皇代替わりと重ねられてしまったが、“皇帝が時空を統治する”君主制思想の象徴である元号の押し付け、そして人間の対等・平等と対立する祝意の強制に対しても、労働者として反対の声を挙げる事が出来た。沿道の反応も良く、解放感あふれる行動となった。
 

 

入管法と多民族・多文化共生を考える学習会にご参加を

 
 今年4月、「改正」入管法が施行された。これにより、外国人労働者を「労働力」として使えるようにする体制がより進んだ。かねてより技能実習生制度の問題は山積みであり、その抜本的改善が求められている中、今回の「改正」はこれを置き去りにしたまま強行された。このことは、単に外国人労働者が増えるというだけの事ではない。労働現場の問題はもとより、多民族・多文化共生の社会をどう考え、どう作っていくかが問われている。
 このほど、がくろう神奈川も参加する神奈川県労働組合共闘会議は「移住者と連帯する全国ネットワーク」代表理事の鳥井一平さんを講師に招き、学習会を開催します。多くの皆さんの参加を呼びかけます。
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