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学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」

「連帯」No.280(2018年1月22日)

〜新年のご挨拶〜
定数増なき学校版「働き方改革」に反撃を

 

 新年を迎え、今年も労働運動前進のため、職域課題解決のため、頑張ります!

 昨年は、我が組合の2大課題に区切りがつきました。横浜市学校事務職員の解雇撤回闘争については、不当解雇を司法に認めさせる事は出来ませんでしたが、横浜市教委の政策を一部変えさせる事は出来ました。黙っていては何も解決しません。

 政令市費化については、現場に大きな混乱をもたらすとともに、学校事務職員(制度)には厳しいものとなりました。それでも組合の取り組みで歯止めをかけ、一部前進も勝ち取る事が出来ました。更なる義教金の市費化を許してはなりません。

 今年は学校版「働き方改革」が大きな課題となる事は必至です。定数増なき「改革」は管理強化・業務負担増を招くだけです。これにしっかり反撃していきます。

 そして、憲法改悪をはじめとする、安倍政権の戦争をする国づくり、原発推進、労働法制大改悪、沖縄弾圧等を許さない闘いにも、取り組んでいきます。


 


 

「学校における働き方改革」中間まとめ出る
事務職員にやってくるのは業務増大と共同学校事務室?

 

「働き方改革」≠「長時間労働の是正」

 中教審は1222日、「新しい学校の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)」を取りまとめた。いわゆる学校版「働き方改革」の今の到達点だ。教員の長時間労働是正に向けた動きと言われるが、本当にそうなのだろうか。

 そもそも、学校に限らず全社会的に政府が進めている「働き方改革」は「長時間労働の是正」と同義ではない。それどころか、政府が提出を予定している「働き方改革」一括法案は残業代ゼロの合法化など、さらなる殺人的な長時間・過重労働に追い立てる内容となっている。

「学校における働き方改革」も中間まとめで、そうした政府の働き方改革の「目指す理念」との「共有」を掲げている。そして内容も、それに違わぬものだ。

 

給特法は先送り 定数への言及もなし

 中間まとめはまず、児童生徒に対して生徒指導等を含む総合的な指導を担う「日本型学校教育」を礼賛し、さらに授業時数増や地域連携拠点化、貧困対策などにおける学校の役割の拡大も、前提にしている。行政の学校に対する過度な期待・依存への反省はなく、これでは入口からして抜本的な学校業務縮減は望めない。

 そうした中での教員の負担軽減はおのずと抜本的なものにはならず、弥縫策の域を出ない。現実味や実効性に疑問符がつく内容もある上、直ちに変わる要素は少ない。しかも、文科省の当事者性は不明確で、教育委員会や学校現場への事実上丸投げも危惧される。

 その一方、まさに文科省が当事者として対応すべき課題として、教員の時間外勤務手当の支払いを不要とし「定額働かせ放題」とする給特法の問題があるが、中間まとめでは結論を先送りしている。教委や学校の尻は叩くが、文科省自身は逃げ腰だ。

 また、中間まとめは「定数」に対する言及が事実上皆無である。その一方で、サポートスタッフや補助員といった非正規雇用が想定される要員については、配置促進が謳われている。現場が切望する定数配置には背を向けつつ、「働き方改革」の名のもとさらに不安定・低賃金の雇用が増やされようとしているのだ。

 

事務職員への業務押しつけの具体は

「業務の役割分担・適正化」の名のもと、事務職員への業務押しつけは具体性を帯びてきた。

 中間まとめは事務職員について「教師の事務負担の軽減や事務職員の学校運営への支援・参画の拡大等」を進めるべきと謳う。そうすると今度は事務職員の過重労働が懸念されるが、それには「共同学校事務室の活用や、庶務事務システムの導入」で対応を、としている。ご丁寧に「事務職員に過度に業務が集中することにならないよう」というおためごかしを付して。こういうのをマッチポンプと言うのではないだろうか。

 そもそも共同学校事務室や庶務事務システムが、どのように業務の軽減につながるのか説明はない。事務機能の外部化と学校運営への参画は整合しないし、庶務事務システムの導入自体が事務職員への業務増大につながっている実例もある。こうした矛盾は置き去りのままだ。

 具体的に事務職員に負わせようという業務や役割としては、未納金督促も含めた学校徴収金の徴収・管理、地域連携の連絡・調整窓口、調査・統計への回答、学校行事等の準備・運営といったものが挙げられた。

 中間まとめが事務職員に提示したものは、あれもこれもの業務増大と、それに非論理に継ぎ接ぎした共同学校事務室推進だ。

 

文科省「モデル案」提示へ

 中間まとめを受けて文科省は1226日、「学校における働き方改革に関する緊急対策」を決定した。取り組みの筆頭には、「学校や教師・事務職員等の標準職務を明確化し、各教育委員会の学校管理規則に適切に位置づけられるようモデル案を作成し、提示する」としており、これがどういったものになるか、そして現場にどう波及していくのか注視していかなければならない。

 


 

賃金確定闘争から展望する学校事務職員の制度・賃金改善


 給与費が政令市に移管されて初めての賃金確定闘争。組合は横浜・川崎・相模原の
3政令市との賃金交渉に取り組んだ。

 3市とも勤勉手当は0.1月引き上げたが、月例給引上げは川崎のみ。諸手当では横浜で扶養手当が、川崎で扶養手当と住居手当が改定されることとなった。

 扶養手当の改定は公民較差の是正というよりも、もっぱら国準拠の姿勢が明白だ。また、川崎の住居手当改定は年齢で支給額に差を設けるもので、全国的にはこうした例はほとんどなく公平性に疑問が残る。

 別途、退職手当削減の動きも進められているが、県と横浜は3月、相模原は4月実施の方向。川崎はさらに後になる見通しだ。

 政令市移管により、同じ県学校行政職給料表適用だった私たちの賃金は、どんどんバラバラになっている。しかし、学校事務職員制度を維持する観点からも3市、そして県費負担職員も含め一体で、学校事務職員の賃金改善を目指していく事が重要だ。そうした立場で、引き続き取り組んでいく。

 

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